1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450276
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 尚司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00111253)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 克才 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70190519)
菊池 淳 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005307)
|
Keywords | 介在物 / 凝集 / 乱流 / Hamaker定数 / van der Waals力 / 清浄鋼 |
Research Abstract |
溶融金属中に浮遊する非金属介在物の乱流凝集特性を明確にするために、以下のような研究を行った。 1. 水中の粒子凝集実験:Al基複合材料の分散粒子として一般的に用いられているSiCの攪拌槽内における凝集実験を行った。SiC粒子は粒度調整した平均粒径1.47μmのもので、実験中適当な時間間隔で採取した液中の個数濃度を測定した。得られた個数濃度の経時変化(凝集曲線)を以下のように解析した。トルクメータによって測定した攪拌エネルギー密度より、槽内の平均エネルギー消散速度を求め、粒子の乱流衝突に基づく凝集曲線の計算値を導いた。この計算値は実測の凝集曲線より大きな凝集速度を与えるので、実測値を表せるような凝集係数を導入した。そして、コロイド工学の解析手法を適用して、凝集係数から粒子間のvan der Waalsカの大きさを表すHamaker定数を算出した。得られた定数はA_<131>=141x10^<-20>Jとなり、文献値の25x10^<-20>Jよりかなり大きくなった。これは実験に供したSiC粒子が球から著しく偏倚しているためと考えられた。このようにして得た水中のHamaker定数から、1000Kにおける溶融Al中のHamaker定数を推算し、A_<131>=45.7x10^<-20>Jを得た。 2. 溶融金属中への粒子分散の予備実験:当初計画の、容融Al中へのSiC粒子の分散に関する予備実験は、未だ十分な結果が得られていない。粒子の溶融Alへの十分な分散を実現するためには、超音波分散器の導入が必要と考えられた。そこで、本年度は複合材料製造用のSiC粒子分散Al-Si-Mg合金を企業より調達し、次に述べる予備実験を行った。 3. 溶融Al中SiC粒子凝集の予備実験:高周波誘導炉内で溶解したAlに上記のSiC分散Al合金を添加し、採取試料の断面顕微鏡観察より、一部の条件で粒子凝集現象を見出した。しかし、SiC粒子の粒径が23μmと大きく凝集が十分進まない条件のために、凝集速度を解析するには至らなかった、
|