1999 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素を排出しない亜鉛の高温生産プロセスに関する化学熱力学的研究
Project/Area Number |
10450277
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
板垣 乙未生 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (80006048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 光久 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (40005335)
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Keywords | 亜鉛生産プロセス / 二酸化炭素 / 排ガス抑制 / 硫化亜鉛 / 溶融銅 / 化学熱力学 / 高効率プロセス / 省エネルギー |
Research Abstract |
硫化亜鉛を含有するマットやスラグの熱含量,高温相関係,活量,分配係数などの化学熱力学データを実験によって集積し,これに基づいて,溶銅を反応媒体として,また,溶融硫化銅を熱媒体として用いる二酸化炭素を排出しない亜鉛の高温生産プロセスの物資収支および熱収支を検討した。この結果,反応炉の過熱を避けるため装入鉱石の重量の60倍程度の溶融硫化銅を系内に循環させる必要があり,このような多量の高温融体を循環させる技術と所要エネルギーの評価が重要であること,プロセスの不足熱を炭材の燃焼で補うことは二酸化炭素の発生という点で望ましくなく,高濃度の酸素を富化した空気を吹錬ガスとして用いることによってプロセスの不足熱が賄われること,排ガス顕熱が膨大になるので,その回収と有効利用が重要であること,分別的な凝縮工程を導入することによって亜鉛蒸気から直接的に精製亜鉛を得る可能性が有ること,などが明きらかとなった。また,硫化亜鉛と溶銅との反応によって亜鉛の大きな蒸気圧を達成できるので,プロセスの高効率な操業が期待できる。しかし,硫化鉛と溶銅との反応で生じる鉛の蒸気圧はかなり小さいので,硫化亜鉛鉱石中に含まれる鉛を揮発によって効率的に回収することはかなり困難と考えれる。また,金や銀などの貴金属は溶銅中に効率的に回収されるが,ヒ素やアンチモンなどの有害成分も溶銅に蓄積することが予測されるので,これらの成分の除去法の開発が別途必要になるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 板垣 己未生: "マットの酸素富化溶錬の熱力学"資源と素材. 115巻3号. 203-211 (1999)
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[Publications] 文 南日: "QSL法に関連する鉛含有のスラグの均一融体組成域について"資源と素材. 115巻4号. 263-268 (1999)
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[Publications] Jonkion M.Font: "FeOx-SiO_2基スラグと各種のCu_2S-Ni_3S_2-FeS系マット間の1573Kにおける相平衡について"資源と素材. 115巻6号. 460-465 (1999)
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[Publications] Namil Moon: "Vapor Pressure Measurement of PbO Base Slay by Transpiration Method"Metallurgical Rebview of MMIJ. 16巻2号. 179-193 (1999)
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[Publications] Alireza Zakeri: "Cu-Feマットと銅の2液相分離範囲における銀の活量"資源と素材. 116巻1号. 37-43 (2000)
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[Publications] Ghasem Roghani: "Phase Eguilibrium and Minor Elements Distribution between FeOx-SiO_2 Based Slay and Cu_2S Matte under High Pontial Pressure"Metallurgical and Materials Transactions. (発表予定).