2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450284
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Research Institution | TOHOKU University |
Principal Investigator |
三浦 隆利 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60111259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 秀之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40241533)
丹野 庄二 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00217217)
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Keywords | すす / カーボンブラック / 凝集 / エアロゾル / ブラウン運動 / 熱分解 / プラズマ |
Research Abstract |
本年度はプラズマにより生成された高温領域(2000K-)において、ベンゼン熱分解によるすす生成実験を行った。実験では不活性雰囲気中(窒素99.9%)、炉内温度1573Kの炉内に、全長1200mm,内径6mmのアルミナ管を反応管として設置し、反応ガス(ベンゼン1mol%,窒素99mol%)を流量62.5ml/minで供給した(Re=4.5)。熱分解し生成したすすの粒子径の測定およびアグリゲート(凝集体)形状の分類評価を行った。濃度の高い方(ベンゼン2.5mol%)が、生成するすすの一次粒子径が大きくなり、また粒子径分布の標準偏差を大きくなることが分かった。計算では、炉内の温度分布を考慮したベンゼン熱分解の反応動力学的解析として、当研究室で開発された熱分解反応モデルを用い、ガス濃度の推算、粒子径および粒子径分布の推算を行なった。また、熱分解モデルにより得られた粒子径の情報を基に、CCA(Cluster-Cluster-Aggregation)モデルを構築し、粒子凝集体解析も行った。従来、当研究室で行ってきた炉内温度1573Kの炉内におけるベンゼン熱分解の実験結果および数値解析結果との比較検討を行い、すす生成および凝集過程に原料濃度の与える影響について考察し、凝集機構の提案を行った。従来、実際の工業プロセスにおいてCBが製造されてきた2000K以上の高温領域における、新規ナノスケールアグリゲートの生成に関しての提案も行った。 すすの一次粒子径の分布が、生成するすす凝集体構造に与える影響についての考察が完了したので、今後は、計算においては熱分解反応モデル内の粒子分割方法について改良を進める。さらに、得られた粒子径分布を基にしたCCAモデルを構築することにより、すすに留まらない、高温場における超微粒子生成プロセスの解明を目指す。また、実験では燃焼に頼ることなく、プラズマ発生装置を用いることにより、簡単に高温場を取得することが可能となったので、従来の1500-2000K以上の温度場において微粒子を生成し、新規のナノスケールアグリゲートの開発を目指す。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shinji Hayashi and Takatoshi Miura: "Simulation of Soot Aggregates Formed by Benzene Pyrolysis"Combustion and Flame. 117-(4). 851-860 (1999)
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[Publications] 久枝穣,青木秀之,三浦隆利: "高温ガス雰囲気中におけるすす粒子成長プロセスの解明"第38回燃焼シンポジウム. 439-440 (2000)