1999 Fiscal Year Annual Research Report
食品製造プロセスにおいて発生する汚れの装置表面への付着と脱離機構の解明
Project/Area Number |
10450287
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中西 一弘 岡山大学, 工学部, 教授 (90026584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 維克 岡山大学, 工学部, 助手 (70294436)
崎山 高明 岡山大学, 工学部, 講師 (70170628)
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Keywords | 付着 / 洗浄 / 汚れ成分 / 吸着等温線 / Methylene Blue / ステンレス / 脂肪酸 |
Research Abstract |
食品製造プロセスにおける装置表面への汚れ成分の付着機構を明かにすることは、洗浄操作の効率化にとって必要不可欠である。本年度は低分子量汚れ成分に着目し、脂質性汚れ物質と色素性汚れ物質のステンレス表面への付着特性の解明を試みた。脂質性汚れ物質としては各種脂肪酸を、色素性汚れ物質としてはMethylene Blueを骨格とする6種類の色素を取り上げた。これらの付着成分の分子構造や溶媒の性質(pH、イオン強度、組成)が付着特性に及ぼす影響及びステンレス表面における付着状態の解析を行った。ステンレス粒子を種々の濃度の各汚れ成分を溶解した液に懸濁し、振盪後の上清濃度を測定し、濃度差から吸着量を算出した。各汚れ成分を付着させたステンレス平板のIRスペクトルを測定し、吸着分子の解離状態及び配向を考察した。脂肪酸と色素のいずれにおいても吸着等温線はLangmuir式に従った。脂肪酸の吸着に際しては、吸着量と吸着平衡定数のpH依存性などから静電気的相互作用と水素結合が主に付着に関与していることが示唆された。 Methylene Blueのステンレス粒子への吸着にも静電気的相互作用が関与していること、また色素はステンレス表面に対して垂直に配向していることが明かにされた。さらに、Methylene Blueの置換基の体積が大きくなると吸着平衡定数が小さくなり、ステンレスとの相互作用が弱くなる傾向がみられた。さらに、過酸化水素と紫外線(254nm)を利用したOHラジカルを用いる洗浄の予備的検討も行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中西一弘: "食品製造・バイオプロセスにおける洗浄とタンパク性汚れの付着"生物工学会誌. 77. 241-245 (1999)
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[Publications] Takaharu SAKIYAMA: "Adsorption Characteristics of Tryptic Fragments of Bovine β-Lactoglobulin on a Stainless Steel Surface"Journal of Bioscience and Bioengineering. 88. 536-541 (1999)
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[Publications] 中西一弘: "食品製造プロセスの洗浄と汚れの付着機構"食品機械装置. 37. 47-53 (1999)