1998 Fiscal Year Annual Research Report
微粉炭の接触熱分解と燃焼による新規な複合発電システムの開発
Project/Area Number |
10450291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宝田 恭之 群馬大学, 工学部, 教授 (70154929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 杰 群馬大学, 工学部, 助手 (50302451)
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Keywords | 石炭 / 熱分解 / 流動層 / 燃焼 / 触媒 / 発電 |
Research Abstract |
本研究では、従来の微粉炭燃焼技術を活かしつつ、よりクリーンで高効率な発電システムを開発することを目的として、微粉炭燃焼技術と新規な流動層接触熱分解炉を組み合わせた全く新しい複合発電システムの開発を行っている。本年度は、はじめに現有の連続式加圧流動層熱分解装置を用いて微粉炭の熱分解実験を行い、メタン収率を検討した。装置は石炭供給部、ガス供給部、熱分解反応部、石炭チャー回収部およびガス分析装置からなり、熱分解反応器は内径30mm、長さ600mmのインコネル製である。200mesh以下に粉砕した石炭試料を微粒子供給装置を用いて、流動化している触媒層内に供給し熱分解を行った。熱分解生成物分布は流動化粒子種類、熱分解温度に強く影響された。CoMo/Al_2O_3触媒を流動化粒子とした場合、580℃の水素雰囲気下で熱分解生成物の98%をメタンガスに転換することに成功した。尚、触媒活性は触媒中に含有される硫黄分に強く依存し、メタンガスを目的とする場合、硫黄分を含まない方が好ましいことが明らかとなった。また、熱分解装置から回収された石炭チャーのキャラクタリゼーションを行ったところ、580℃以下の熱分解温度であれば燃料比が2以上のチャーが生成されることが分かり、熱分解チャーが微粉炭燃焼炉で燃焼できる可能性が示された。また、熱分解チャーの炭素構造に対する鉱物質および熱分解温度の影響を検討し、石炭に含有される鉱物質の一部が炭素の結晶化に対して触媒作用を示すこと及び熱分解温度が高くなるにつれて炭素の結晶構造が発達することを明らかにした。更に、熱分解石炭チャーのガス化特性を熱天秤で調べ、水素中で急速加熱した石炭チャーのガス化活性が通常の石炭チャーに比べてやや高いことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Morishita and T.Takarada: "Carbon fine structure change of coal char during gasification" Proceedings of The 6th Japan-China Symposium on Coal and C1 Chemistry. 240-243 (1998)
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[Publications] 宝田恭之,森下佳代子 岩田剛,木村理恵: "高温熱処理石炭チャー中の炭素質構造とガス化特性" 第35回石炭科学会議論文集. 117-120 (1998)
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[Publications] 森下佳代子,宝田恭之: "石炭チャーガス化時の微細構造に対する鉱物質の影響" 第35回石炭科学会議論文集. 193-196 (1998)