1999 Fiscal Year Annual Research Report
固体原料を連続的に反応させるための溶融塩触媒の開発
Project/Area Number |
10450295
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
後藤 繁雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90023283)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井土 忠厚 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80023159)
|
Keywords | 連続ガス化 / 溶融塩触媒 / 分子反応工学 / アルカリ金属触媒 / 二酸化炭素 / リグニン / 媒体撹拌ミル / 炭素質 |
Research Abstract |
工業原料として有用な物質を、固体状態のまま連続的に反応させ製品化する事を目的とし、炭素質のガス化に対する 1.溶融塩触媒の有効性、2.媒体撹拌ミル反応器の可能性、3.これらを利用した炭素質の連続ガス化について調べている。本年度は2の撹拌ミル反応器の可能性について検討した。 1.媒体撹拌ミル反応器の特性。 媒体撹拌ミルを固体原料を反応させるための装置として利用すると、a固体を1ミクロン以下まで粉砕できるため触媒との接触面積を大幅に増大させることができ、b粉砕により生じたエネルギー的に不安定な面を活性面として利用でき、cボールとの衝突により生じた局所的な温度の高い状態を反応に利用できる等の利点が生ずる。 2.反応器の操作特性 今回製作した撹拌ミル反応器は、a反応ガスおよび生成ガスを連続的に供給し取り出すことが可能、b500℃まで固体原料を粉砕しながら加熱制御が可能であるという特徴を持つ。 3.固体原料のガス化速度 固体原料として活性炭を使い、二酸化炭素との一酸化炭素生成反応を500℃で行ない次の結果を得た。a反応速度は使用したボールの種類によって変化した。すなわち、破砕能力はジルコニアボールの方が大きいにもかかわるず、反応速度は鉄ボールの方が2倍以上大きくなった。この原因を調べるため、反応後の試料のSEMおよびEDX写真を検討したところ、使用したボールから破砕される鉄に触媒作用があることが分かった。bそこで触媒として、粒径の異なる鉄粒子、酸化鉄、ニッケル粒子、およびこれらの混合物を加えて反応を行ったところ、還元状態の鉄の触媒作用が最も大きく、かつ鉄の粒径が小さいほど反応速度は速くなる結果を得た。
|
Research Products
(1 results)