1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤元 薫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30011026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨重 圭一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50262051)
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Keywords | 固体酸触媒 / 水素 / スピルオーバー / プロトン / ハイドライド |
Research Abstract |
本研究においては、水素のスピルオーバー種について拡散の速度(金属-担体界面、担体表面、担体-固体酸等)、その活性化エネルギー、濃度、化学状態(電荷、原子状or分子状)に関する知見を得ることを目的とする。貴金属担持シリカ触媒(Pt/SiO_2及びPd/SiO_2)とゼオライト(HZSM-5,USY,H-Mordenite)からハイブリッド型を調製し、FTIR分光法により酸点上に吸着したピリジンの挙動に対する水素のスピルオーバー効果を検討した。この研究により、水素のスピルオーバー現象により、ルイス酸点上のピリジンの脱離が大きく促進されることがわかった。このことは、スピルオーバー水素種が酸点と相互作用していることを強く示唆しており、その水素種としてはルイス塩基性をもったハイドライド種が予想される。この研究は、実際の反応においては、水素の共存効果により水素異性化反応などにおいて水素のスピルオーバー現象が酸点への炭素析出などを抑制することとよく対応しているように思われ、本現象の理解に大きく貢献したと思われる。さらに、重水素とプロトンの交換反応速度とルイス酸点上のピリジンの移動速度を比較した結果前者が後者に比べて速いことから、スピルオーバー種としてのプロトンとの反応がルイス酸点との反応より起こりやすいことがわかった。これについては、現在さらに検討中である。
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