1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450304
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 孝一 京都大学, 工学研究科, 教授 (40111942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 浩行 京都大学, 工学研究科, 助手 (40263115)
前 一廣 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70192325)
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Keywords | 石炭 / 液相酸化 / 事前脱流 / 石炭の熱分解 |
Research Abstract |
21世紀の貴重な資源である石炭を有効に利用していくには、環境負荷を低減した高効率転換技術の確立が不可避である。もし石炭を廃熱レベルのエネルギーでクリーンな高活性資源に変換できれば、効率向上のみならず後段の汚染物質の除去が不要になる。本研究では、この観点に立った新規改質プロセスの開発を目的に、(1〉石炭の新改質法の開発と硫黄事前処理技術の開発、(2)改質した石炭の構造解明と凝集構造制御、(3)改質炭の高効率熱分解、燃焼に関する検討を実施した。 その結果、石炭を常圧、60℃という温和な条件で過酸化水素水中、液相酸化処理することで、脱アルカリ、無機硫黄を除去できることがわかった。また有機硫黄は、酸化された分解しやすい形態に変化していることが明らかになった。このように処理した改質炭にCa担持したものを熱分解、ガス化を実施したところ、硫黄含有ガスの発生、アルカリ金属の飛散を完全に抑え得ることを見出した。以上の結果から、石炭を廃熱レベルのエネルギー投入でクリーンな資源に変換し得る可能性が示唆された。 一方、改質炭の水素結合分布をFTIR等で評価し、その凝集構造と熱分解特性との関連性を詳細に検討した結果、石炭の熱分解で生成するタールの量は、石炭中の脂肪族炭素量と強い水素結合量の比で決定されていることを明らかにするとともに、これを推定する新しい構造パラメータを提案した。一連の研究から、石炭を活性化するには、液相酸化等で石炭中の芳香族を開環することと、官能基を低級脂肪酸等の形で有用化学物質として取り除くことことがポイントであることが明らかになった。今後、これらの知見をもとに、高活性化を目指した改質法の開発を実施していく予定である。
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Research Products
(1 results)