2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450306
|
Research Institution | Tokyo University of agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹山 春子 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60262234)
|
Keywords | 海洋藍藻 / 紫外線吸収物質 / UV-A耐性 / ビオプテリングリコシド / GroEL / ミクソキサントフィル |
Research Abstract |
前年度までに、UV-Aの波長域の光を照射することによって、UV-A耐性海洋藍藻Oscillatoria NKBG091600細胞内に、生物に広く存在し熱ショックタンパク質として知られているGroELが誘導されることを報告した。また、GroELおよびGroESを含む遺伝子領域(GroESLオペロン)を明らかにし、GroESL構造遺伝子上流のレギュレーター領域にプロモーター配列、CIRCE(Controlled Inverted Repeat of Chaperone Expression)配列、SOS Box様配列を見出した。その結果、UV-A照射によるGroEL誘導が、既知の発現制御とは異なり、SOS応答として起こっている可能性が示唆された。そこで本年度は、GroESL構造遺伝子上流のレギュレーター領域をクローニングし、その下流にCAT(chloramphenicol acetyltransferase)遺伝子を導入し、大腸菌内においてSOS Box様配列がどのように機能するか調べた。その結果、マイトマイシンCを培養液に添加した場合、添加しない場合に比べて、CAT活性が上昇することがわかった。このことは、UV-A耐性海洋藍藻Oscillatoria NKBG091600に由来するSOS Box様配列が、大腸菌内においてもSOS応答部位として認識されていることを示唆した。藍藻内における制御については今後確認を要するが、UV-A耐性海洋藍藻内においては、UV-A照射によって、細胞内にSOS応答制御が働き、その結果として、GroESLの発現が誘導されていることが推測できた。さらに、UV-A照射によって誘導されるカロテノイド含量増大が、主に、藍藻に特徴的にみられるミクソキサントフィルの急激な増加によるものであることを明らかにした。UV-A照射は、SOS制御を通して遺伝子発現を活性化させるスイッチング機能を果たしているものと考えられた。
|
-
[Publications] Haruko Takeyama: "Salinity-regulated replication of the endogenous plasmid pSY10 from the marine cyanobacterium Synechococcus sp."Appl.Biochem.Biotechnol.. 84/86. 447-453 (2000)
-
[Publications] Reiko Yu: "Production of eicosapentaenoic acid by a recombinant marine cyanobacterium Synechococcus sp."Lipids. 35. 1061-1064 (2000)
-
[Publications] Mitsufumi Matsumoto: "Screening of marine cyanobacterial buoyancy for application of environmental monitoring."J.Appl.Phycol.. (In press).