1998 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸菌による新規バクテリオシン生産とその食品保存料への展開
Project/Area Number |
10450311
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塩谷 捨明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50026259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 圭司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60294039)
清水 浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00226250)
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Keywords | バクテリオシン / 発酵食品 / 乳酸菌 / Lactobacillus plantarum / Enterococcus faecium |
Research Abstract |
発酵食品より新たに分離したバクテリオシン生産菌Lb.plantarumは、その表現型が非常に不安定で、その扱いが困難であった為、新たに、糠床よりバクテリオシン生産菌を分離してきた。同定の結果、Enterococcus faeciumに属することが明らかとなった。このバクテリオシン生産菌E,faecium N15株が生産するバクテリオシンの予備的な特徴を調べたところ、熱処理(100℃2hr)に安定で、pH2〜7の範囲で抗菌活性を有していた。また、proteinase K,pepsin,α-chymotrypsin,trypsin,α-amylase処理により抗菌活性は失われた。SDS-PAGE後、抗菌活性を検出した結果、分子量3kDa付近に、抗菌活性を示すハローが確認できた。また、2次元アガロースゲル電気泳動により、E.faecium N15株は、2,3,20kbp付近に少なくとも3つのプラスミドを有していることが確認された。次に、バクテリオシン生合成系遺伝子のクローニングを試みた。pediocin-like bacteriocinに共通するYGNGVのアミノ酸配列およびバクテリオシン誘導因子にみられるC末端の保存領域をもとにPCRプライマーを設計しPCRを行った。その結果、いくつかの増幅断片が確認され、これらの増幅断片をT-vectorにクローン化し、塩基配列を決定した。また、現在、バクテリオシンの精製を試みているが、イオン交換力ラムより溶出された分画のバクテリオシン活性を調べた結果、2つの活性のピークが確認され、N15株は、2種類のバクテリオシンを生産している可能性があることが示唆された。
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