1999 Fiscal Year Annual Research Report
未利用遺伝子資源としての低栄養細菌の利用に関する研究
Project/Area Number |
10450314
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
小川 隆平 崇城大学, 工学部, 教授 (40029244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 正佳 熊本大学, 工学部, 助教授 (10121667)
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Keywords | 低栄養細菌 / イソクエン酸リアーゼ / 有機スズ |
Research Abstract |
低栄養条件下でのみ増殖が可能な絶対低栄養細菌は、これまで生物工学的利用は一部を除きなされていない。この微生物は、未開であるが故に未知の可能性を秘めていると考えられる。本研究は、低栄養細菌を遺伝子資源としてとらえ、生物工学において利用価値のある遺伝子を探し出すことを目的としている。 本年度は、昨年度に引き続き、絶対低栄養殺菌を天然界、とくに海洋からレプリカ法を用いて分離を続行した。また、昨年度低栄養細菌として分離したOT622株のイソクエン酸リアーゼ遺伝子について配列決定も続行した。得られた結果は以下のように要約される。 1.新たに海洋から絶対低栄養細菌を10株分離した。これらの菌については環境ホルモンである有機スズ(トリフェニルチン)分解能を調べた結果、3株が培養培地から有機スズを明らかに減少させていることを見い出した。この事から、低栄養細菌による低濃度環境ホルモンの生分解の可能性が示唆され、今後、これに関与する酵素を調べていきたい。 2.昨年度決定したOT622株のイソクエン酸リアーゼの保存領域396bp以外の塩基配列の決定を行ったが、余り大きな進展はなかった。
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