1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450328
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
中川 善兵衛 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (90016832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 滋生 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (20218572)
小沢 泉太郎 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60005436)
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Keywords | インタカレーティング化合物 / ガス吸収 / ガス放出 / 雰囲気制御 / ガス分離 |
Research Abstract |
本年度はインタカレーティング化合物として、Na型フッ素4ケイ素雲母の層間にアルミナ及びジルコニアを化学修飾した架橋雲母を合成し、それらの調製物、200℃乾燥物、400℃焼成物について、各種ガスの吸収実験を行った。さらに、酸化モリブデン系の層状化合物ついてはNaMo_2O_4を合成し、同様のガス吸収実験を行った。使用したガスは有極性、無極性を考慮し、一般有毒ガスあるいは環境汚染ガスと考えられている中性のCO、酸性ガスのCO_2、NO、SO_2、Cl_2、アルカリ性のNH_3を選んで実験を行った。ガスの吸収実験には、今年度から新しく加熱可能なガラス製オートクレーブを使用した。真空引きした後吸収用ガスを導入して、室温、1気圧を標準として20分間保持して吸収させ、その後TG-Mass装置により、加熱中に放出されるガス種の検出とその時の温度を調べた。 アルミナ及びジルコニアを化学修飾した架橋雲母では吸収実験後のTG-Mass測定において、両者ともNOとNH_3の放出が観測された。NOではアルミナ及びジルコニアを架橋することで放出温度が高温側に移行しており、より強い結合で吸着されたものと考えられる。架橋雲母の400℃焼成物では放出温度が高温から低温度まで広がり、吸着種にいくつかの種類があることが分かった。NH_3でもアルミナ及びジルコニアを架橋することによって放出温度が高温側に移行しており、より強い結合で吸着されるようになると考えられる。しかしNH_3の場合は400℃焼成物でガスの吸収能が消滅した。NaMo_2O_4では測定したガスの内、CO_2の放出が300℃付近に認められた。 今年度はガス吸収用試料の調製に時間を要したので、来年度は専門家により調製された試料を使用してガスの吸収脱着実験を集中的に行い、それに基づいてガスの吸収機構の解明を行う。
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