1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450330
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 満 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30151541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲熊 宜之 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (00240755)
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Keywords | 同位体効果 / 複合酸化物 / ペロブスカイト / 強誘電体 / イオン伝導体 |
Research Abstract |
複合酸化物における機能(強誘電性、強磁性、イオン伝導性、電子伝導性)の多くは相転移に関連していることが多く、相転移挙動を調べることは、機能発現機構を解明することと同等である。本研究ではペロブスカイト型複合酸化物を対象として、陽イオンおよび陰イオンの同位体置換を行うことでそれらの物性変化を解析することにより酸化物の機能の起源を探ることを目的とする。この目的を達成するために本年度は陽イオンとしてリチウムを、陰イオンとして酸素を同位体置換し、物性変化を詳しく調べた。得られた結果は以下の通りである。 (1) 酸素同位体置換効果 量子常誘電体SITiO_3の^<16>Oを^<18>Oで置換することにより強誘電体化することに成功した。本系での強誘電体化には世界で初めて成功した。類似化合物BaTiO_3とCaTiO_3の同位体置換はほとんど変化をおよぼさないことも見い出しており、新たな強誘電体の合成指針としてスレータモードのソフト化に着目した設計が重要であることを提案した。電荷整列するペロブスカイト型酸化物での酸素同位体置換は電荷整列温度T_<co>を最大で20K上昇させることを見い出した。これはT_cが同程度低下するのとは対照的であり、酸素格子が、T_<co>とT_cに逆方向に寄与することは超交換相互作用におけるJのフォノン周波数依存性が逆であることを意味している。リチウムイオン伝導体への酸素同位体置換はイオン伝導度のpre-exponential項を変化させることが明らかになった。 (2) リチウム同位体置換効果 リチウムイオン電導体(La,Li)TiO_3のリチウム同位体置換により活性化エネルギーのみが変化することを見い出した。これは酸素同位体置換と対照的な結果となっている。現在これらの機構について解析中である。
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[Publications] M.Itoh: "Ferroelectricity Induced by Oxygen Isotope Exchange in Strontium Titanate Perovskite" Physical Review Letters. (印刷中). (1999)
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[Publications] M.Itoh: "Review on Lattice Effect in Perovslite-related Compounds Induced by Oxygen Isotope Exchange" Journal of Korean Ceramics Society. (印刷中). (1999)
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[Publications] R.Mahesh: "Abnormaly Large Oxygen Isotope Effect in Change Ordered Compounds" Journal of Solid State Chemistry. (印刷中). (1999)
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[Publications] R.Mahesh: "Investigation of Lattice Effect in Perovskites by Oxygen Isotope Exchnge" Australian Journal of Physics. (印刷中). (1999)