1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
芳尾 真幸 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60037885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯野 健一 佐賀大学, 理工学部, 助手 (20232374)
野口 英行 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (60093978)
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Keywords | リチウムイオン電池 / 正極材料 / ニッケル酸リチウム / マンガン置換 / 電池性能 / 生成プロセス / 空気 / コバルト添加 |
Research Abstract |
ニッケル酸リチウムのニッケルの一部をマンガンで置換することにより、電池特性の一定した正極材料から得られることを見出した。マンガン置換ニッケル酸リチウム(LiMn_xNi_<1-x>O_2)はxの値が0.2以上となると充放電曲線の形状が単純化し、充放電中ニッケル酸リチウムに特有の複雑な結晶構造変化がなくなることも見出した。マンガンの置換は単斜晶系の構造の出現を抑制し、充放電中結晶構造は菱面体晶が保たれる。LiMn_xNi_<1-x>O_2はLi_xNiO_2とLi_2MnO_3の固相反応で進むため、粒径の大きいMnO_2を原料に用いると未反応のLi_2MnO_3が不純物相となる。マンガンの置換をスムーズに進めるには中間体のLi_2MnO_3の粒径を小さく保つことが肝要である。xの値が増加するにつれ合成温度は高くなるがx≧0.3以上なると合成温度は一定し900℃で合成できる。 電池特性の優れたニッケル酸リチウムを合成するには酸素中での焼成が不可欠であった。しかし、x≧0.2以上までマンガン置換すると空気中で合成しても十分酸化が進み、高容量のLiMn_xNi_<1-x>O_2が得られる。ニッケル酸リチウムの難点の一つはLi/Ni比により容量が大きく変動し、電池特性の優れた材料が再現性良く合成できないことである。ニッケルを一部マンガンで置換するとリチウムを若干過剰にしても容量の減少が認められなくなり、広範なLi/遷移金属原子比で一定した容量を示す材料が合成できる。 上記マンガン置換ニッケル酸リチウムにコバルトを数%添加すると空気中で合成する場合の再現性が著しく改善できることも確認した。
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