1998 Fiscal Year Annual Research Report
共役系の配位的フレキシビリティーを利用した均一系炭素-炭素結合生成触媒の開発
Project/Area Number |
10450343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永島 英夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (50159076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 公紀 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (00294984)
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Keywords | 有機金属錯体 / クラスター / ルテニウム / 触媒 / 水素化 / ヒドロシリル化 / 共役系配位子 |
Research Abstract |
有機遷移金属触媒を用いる炭素-炭素結合生成反応は、新しい機能性有機分子を効率的に合成することが期待される重要課題である。本研究においては、とくに共役π電子系の遷移金属に対する配位的フレキシビリティーに着目し、アセナフチレン、アズレンといった多環式芳香族化合物や非ベンゼン系芳香族化合物、あるいは、共役アミド、共役アミジンのような含窒素共役系をもつ、有機鉄、ルテニウムクラスターの合成とその反応性に関する基礎的な知見を集約し、その触媒作用の開拓をおこなうことを目的としている。今年度の成果として、とくにアセナフチレン、アズレンを配位子とする有機ルテニウムクラスターの水素化活性の研究から、これら共役系配位子が特異的に3核構造を有するルテニウム錯体の水素に対する反応性を増大させる事実を明らかにした。このような高い反応性は、2、4核錯体では観察されず、3核特有の反応であることがわかった。また、生成物の立体化学から、水素の活性化がクラスター上で起こっていることを証明した。さらに、中間体の反応を検討したところ、3核錯体から4核錯体への不均化が、クラスターのヒドリドあるいは一酸化炭素配位子を不安定化させることによりおこることもあわせて見い出した。これらの知見を、水素化でなくヒドロシリル化に拡張して、ヒドロシランのアセナフチレンを配位子とするルテニウム3核錯体への酸化的付加反応の確認と、触媒的ヒドロシリル化、シリル化重合への展開に成功した。また、共役系として含窒素系への拡張を図り、予備的な成果として、高い反応活性をもつルテニウムアミジナート錯体の合成に成功した。
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[Publications] H.Nagashima,A.Suzuki,M.Nobata.K.Aoki.K.Itoh: "Multimetallic Activation of Molecular Hydrogen, Leading to Hydrogenation of the Coordinated Azulenes in Di-,Tri-,and Tetranuclear Ruthenium Carbonyl Complexes" Bull.Chem.Soc.Jpn.71. 2441-2448 (1998)
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[Publications] H.Nagashima,A.Suzuki,H.Kondo,M.Nobata,K.Aoki,K.Itoh: "A Novel Tetraruthenium Carbonyl Cluster Bearing Indenyl-Type Ligand as the Facial Bonding Mode" J. Organomet.Chem.印刷中. (1998)