1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ原子化合物の特性を利用した新規不安定化学種発生法
Project/Area Number |
10450347
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
園田 昇 関西大学, 工学部, 教授 (20083983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 豊 関西大学, 工学部, 助教授 (30180665)
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Keywords | ヘテロ原子 / セレン / 一酸化炭素 / ナイトレン / 1,2,3-セレナジアソール / ビニルラジカル |
Research Abstract |
不安定化学種は、有機合成化学における有用な合成手法を与える反応種として多くの研究がなされている。しかし不安定化学種の発生法が極めて限定され、さらにその高い反応性のため反応の制御が困難である場合も多く、効率良く不安定化学種を有機合成に利用した例は比較的限られている。本研究では、ヘテロ原子化合物の特徴を巧みに活かすことにより、不安定化学種の効率的発生法の開発ならびに、発生させた不安定化学種をkey speciesとする新規合成反応の開拓を目的として検討した。その結果、三級アミン存在下、セレンを触媒とし、o-ニトロスチルベンと一酸化炭素の反応を行うと、工業的にも有用な化合物であるインドールが収率良く得られる事を見い出した。本反応は、セレン-一酸化炭素が反応することで系中で生成したセレン化カルボニルが還元剤となり、ニトロ基を還元しナイトレン(ナイトレノイド)種を与え、その後ナイトレンがo位に存在するsp2炭素一水素結合に挿入を起こすことでインドールを収率良く与えたものと考えられる。また、1,2,3-セレナジアゾールをα,β-不飽和カルボニル化合物共存下熱分解反応を行ったところ、1,2,3-セレナジアゾールのセレン-窒素結合のホモリテックな解裂、脱窒素反応を経て生成したビニルラジカル種がα,β-不飽和カルボニル化合物に付加することで生成したと考えられるジヒドロセレノフェンが収率良く得られたことも合わせて見い出した。この結果は、1,2,3-セレナジアゾールの熱分解反応が不安定化学種であるビニルラジカルの新規発生法として利用可能であることを示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yutaka Nishiyama: "Selective Synthesis of 1-Alkoxy-3-phenylseleno-1-alkenes and 3-phenylselenoalkanals by the Reaction of Diisobutylaluminum Phenylselenelate with α,β-Unsatunited Acetals" Tetrahedron Letters. 39. 8685-8686 (1998)
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[Publications] Noboru Sonoda: "Regioselective Alkylation of 1-Alkoxy-3-Phenylseleno-1-alkenes" SYNLETT. (印刷中).