1999 Fiscal Year Annual Research Report
高分子濃厚系の伸長大変形下における絡み合い構造緩和と分子異方性緩和の独立観測
Project/Area Number |
10450363
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
五十野 善信 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30135321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 敦志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00236241)
河原 成元 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00242248)
高橋 勉 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20216732)
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Keywords | 高分子濃厚系 / 非線形粘弾性 / 大変形 / 絡み合い / ゴム状平坦領域 / 動的弾性率 / 非平衡構造 |
Research Abstract |
レプテーション概念とチューブモデルにより高分子濃厚系の非線形粘弾性に関する理解は非常に深まった。しかし、これらの考え方を用いても理解できない現象が多々あり、高分子ダイナミクスを理解する上でのブレークスルーとなる新しい考え方が再び求められている。この新たな混乱は内部構造変化を無視していることによるものと考えられる。従来、線形・非線形条件下を問わず、粘弾性挙動はすべて分子鎖配置の異方性により生じるものであり、基本的に緩和応力より求められる歪依存性記憶関数ですべて理解できると考えられてきた。高分子希薄系ならそれは正しい。しかし、分子間に絡み合いが存在する高分子濃厚系では、分子鎖配置異方性とともに、絡み合い構造の変化ならびに回復をも合わせて議論しなければならない。前者は屈折率テンソルの変化、後者はゴム状平坦領域の高さの変化に反映される。本研究の目的は、複屈折(屈折率テンソル異方性)ならびに直交微分動的弾性率(変形中のゴム状平坦領域の高さ)の観測を独立かつ同時に行い、大変形下での非線形粘弾性への分子鎖配置異方性と絡み合い構造変化に寄与を分離し、絡み合い構造ダイナミクスを分子論的に明らかにすることにある。本年度は、1,2-ポリブタジエン試料を用い、平成10年度に既設2軸レオメーターに組み込んだ複屈折装置の調整・検定を行い当初の目的性能を有することを確認するとともに、脱蛋白天然ゴムの伸長結晶化測定を進めた。今後、未架橋ならびに疎架橋高分子を用いて詳細な測定を行い、標題の研究を進める。
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