1999 Fiscal Year Annual Research Report
真球状微粒子集合体によるフォトニックバンド結晶と薄膜レーザー素子への展開
Project/Area Number |
10450364
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Research Institution | Faculty of Textile Science and Technology, Shinshu University |
Principal Investigator |
谷口 彬雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (00283242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 通郎 触媒化成工業株式会社, ファイン研究所, 所長
小山 俊樹 信州大学, 繊維学部, 助教授 (90178393)
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Keywords | フォトニック結晶 / フォトニックバンドギャップ / 単分散微粒子 / アルコキシド法 / コロイド結晶 / 自己組織化 / 燒結 / レーザー |
Research Abstract |
今年度は昨年度の成果を受け、のこる課題である高屈折率材料の粒子探索および非対称性単位のための粒子変形を解決し、まだ実現されていない可視光領域に完全なフォトニックバンドギャップを形成する3次元フォトニック結晶を作製するために、高屈折率材料の単分散TiO_2微粒子を合成し、その単分散性向上について検討した。 単分散真球状酸化物微粒子の合成にはアルコキシド法を採用した。先ず、高純度チタニウムテトラエトキシドの脱水エタノール溶液(混合後、0.1mol/l)を攪拌しながら蒸留水の脱水エタノール溶液(混合後、0.3mol/l)を混合し、加水分解、重縮合させた。それを50℃、5時間で熟成させた。次に、遠心機での固液分離と超音波洗浄器での脱水エタノール洗浄を行い、pH11のアンモニア水に分散させた。 その結果、幾何標準偏差1.1、平均粒子径500nmのTiO_2微粒子(非晶質、多孔質の水和物)を合成できた。そして、高純度チタニウムテトラエトキシドの脱水エタノール溶液の濃度、あるいは、熟成の時の温度を変化させることにより、平均粒子径の制御が可能となることを見出した。また、ZrO_2、Ta_2O_5微粒子においても同様の制御が可能となることを見出した。 今後の計画は、合成した単分散TiO_2微粒子を使用し、昨年度確立した自己組織化での配列を行い、燒結を利用し(高屈折率多形への結晶構造転移、粒子変形、強度向上)、まだ実現されていない可視光領域に完全なフォトニックバンドギャップを形成する3次元フォトニック結晶を作製する。そして、その光学特性(吸収スペクトル)と理論(バンド)計算の対比で評価し、その制御から薄膜レーザー素子への展開を図り、光励起および電界励起でのレーザー特性について検討を行う。
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