1998 Fiscal Year Annual Research Report
パイロットの状況認知および意志決定の統合モデルの構築
Project/Area Number |
10450370
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 真二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30196828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柄沢 研治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60134491)
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Keywords | 飛行力学 / 最適推定 / 航空事故 / シミュレータ / 人間機械系 |
Research Abstract |
航空機操縦の自動化が進む中で、パイロットのヒューマンエラーが事故の大きな要因として重要視されている。離着陸時には完全な自動化が困難であり、パイロットの操縦が必要とされ、事故発生の比率も非常に高い。特に着陸間際にはパイロットはコックピットからの視界情報により機体の状態を把握していると考えられ、パイロット能力が極度に要求される。本研究では、パイロットが視界からどのようなメカニズムで機体の状況を把握するかを分析し、また、着陸間際の意思決定モデルを構築することを目的とする。本年度は研究の1年目であり、既に設置ずみの操縦席固定のフライトシミュレータにより、アイマークレコーダを用いて、パイロットが飛行中に外界または計器のどのデータをキューとして操縦したかを計測し、高度、速度、経路、ピッチ角などの情報に対してパイロットがどの程度注意力を配分しているかを定量的に把握した。この実験は運航会社の現役のパイロットの協力により実施した。実験の結果、パイロットは着陸間際には計器から滑走路に視点を移動し、視覚情報から機体運動を認知していることが検証できた。また、実験と平行して各キューへの注意力の最適な振り分けをカルマンフィルター理論を用いて解析した。解析の結果、高度に関しては滑走路前縁、沈下速度に関しては滑走路後縁の視覚情報を元に推定を行っていることが明らかになった。解抵結果の細部では実験結果と一致しない部分もあり、今後解析モデルの改善を検討する。
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