1998 Fiscal Year Annual Research Report
フォトン注入によって維持されるデトネーションの定置安定性と超音速燃焼器への適用性
Project/Area Number |
10450372
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤原 俊隆 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90023225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 裕之 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50273272)
JOSEPH E. Le 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30283419)
遠藤 琢磨 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90232991)
吉川 典彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60135423)
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Keywords | デトネーション / 燃焼 / 推進 / 光化学反応 |
Research Abstract |
(1) 実験装置の設計と製作 超音速流を実現するための高圧空気貯蔵タンクと高圧コンプレッサーについて,機種選定と設計・製作を行った.吐出圧力30気の圧小型コンプレッサーを3台並列に導入し,容量1m^3のタンクに100分で30気圧充填する.これらのシステムを現在立ち上げている. (2) 静止混合気体レーザー着火実験とシミュレーション(1) 水素-酸素-二酸化窒素混合気のレーザー着火実験:Nd:YAGレーザーの3倍波355nmを0.1気圧の水素-酸素-二酸化窒素混合気(モル比53.3:26.7:20)に照射して,二酸化窒素のNO_2→NO十Oの光分解を誘起して,Oラジカルを生成し着火を起こした.着火の自発光の時間変化は,CCDカメラのタイミングをずらして撮影して観測した.体積的着火が起きていることを確認した.入射レーザーパワーの低下とともに着火遅れ時間が急激に増加することが認められた. (2) 水素-酸素反応系の解析:反応追跡のプログラムを作成して,水素-酸素混合気中にO,H,OHラジカルを注入した場合の影響を調べた.各素反応の各化学種の時間変化に対する寄与率と,発熱に対する寄与率を解析した.ラジカル注入による反応機構は,前半のラジカルの影響が顕著に表れる反応誘起過程と,後半の熱爆発過程に分かれる.後者は,加熱着火の場合と同じ挙動を示す.混合気の初期エンタルピーを固定して,ラジカル注入着火の場合と加熱着火の場合を比べると,前者の方が10^<-2>〜10^<-3>小さいエンタルピーで同程度の反応誘起時間を得られることが分かった.また,二酸化窒素の光分解過程も考慮してシミュレーションを行い,実験の着火遅れ時間と良い一致を得た. (3) 水素-塩素混合気のレーザー着火実験と反応シミュレーション:前記(1),(2)と同様な解析を反応過程がより単純な水素-塩素混合についても行った.0.1気圧の水素-塩素量論混合気に355nmのレーザーを照射した.水素-酸素-二酸化窒素混合気の場合よりも,反応性が高く,より広い空間領域で体積的着火が達成できた.着火遅れ時間のシミュレーションの結果は実験とかなりずれ,原因を検討中である.
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