1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花田 俊也 九州大学, 工学部, 助教授 (30264089)
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Keywords | 粒子衝突 / スペース・デブリ / 軌道伝播 / 軌道生成 / 破砕モデル |
Research Abstract |
本研究では,スペース・デブリ環境のモデルを構築することが目的であり,そのため,デブリの軌道とその変化を推定するプログラムを作成し,さらに,プログラムに入力するデータを提供する衝突試験を行うものである.以下に本年度の研究実績を列挙する. (1) 粒子衝突によって発生する破片のデータはまだ少ない.特に,破片の飛散軌跡の解析データは皆無に等しい.本研究では,これまで二次元的に観測してきたが,三次元的に観測は未だ行っていなかった.このため,次年度以降,破片の飛散軌跡を三次元的に観測できるように真空チャンバーを更新した. (2) サブストレート付き太陽電池セルを供試体とする衝突試験を実施し,デブリの太陽電池セルに与える損傷度合に関する知見を新たに得た. (3) 太陽光によるデブリ軌道の変動を解析した結果,面積・質量比によってはアルミナ粒子のように月・太陽の重力加速度よる影響が太陽光による影響よりも大きくなり得ることが分かった.また,地上回収物体の衝突痕解析で長楕円軌道粒子の存在がほのめかされているが,静止軌道で発生した粒子が太陽光の影響を受けた結果,このような長楕円軌道となり得ることも示せた. (4) 累積シミュレーションでは,従来一定値として取り扱っていた移行率を破砕高度及びエネルギーの関数として処理できるようにプログラムに変更を加えた.現在,その効果を検証中である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Hanada,T.Yasaka: "Debris Cloud Evolution and Probability of Secondary Impact after Collision in Geosynchronous Region" 21st International Symposium on Space Technology and Science. ISTS 98-m-08 (1998)
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[Publications] T.Yasaka,T.Hanada: "GEO Debris Environment: A Model to Forecast The Next 100 Years" 32nd Committee on Space Research (COSPAR) Scientific Assembly. BO.2-0025 (1998)
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[Publications] T.Yasaka,T.Hanada: "Low Velocity Projectile Impact on Spacecraft" 49th Congress of International Astronautical Federation. IAF-98-I.5.04 (1998)
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[Publications] 花田俊也,八坂哲雄,他: "破砕現象で発生した破片と静止軌道物体の衝突確率について" 宇宙科学技術連合講演会. 385-390 (1998)
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[Publications] 山本丈晴,花田俊也: "宇宙デブリの低速度衝突による太陽電池セルの損傷状況に関する研究" 宇宙科学技術連合講演会. 391-395 (1998)
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[Publications] 中嶋理奈,花田俊也,他: "デブリ軌道の太陽光による変動" 日本航空宇宙学会西部支部講演会(1998)講演集. 110-113 (1998)