2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450374
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
花田 俊也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30264089)
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Keywords | 粒子衝突 / スペース・デブリ / 軌道伝播 / 軌道生成 / 破砕モデル |
Research Abstract |
本研究の成果である静止軌道スペース・デブリ環境モデルを構築し、GEODEEM(GEOsynchronous space Debris Environment Evolution Model)と名付けた.米国航空宇宙局の協力で,ジョンソン・スペース・センターの静止軌道スペース・デブリ環境モデルGEO_EVOLVE1.0との比較を実施することができた.この比較を通して得られた結論は以下の通りである. 爆発が次世紀に掛けて静止軌道環境に影響を与えると結論付けるのは妥当であろう.両モデルとも、静止軌道環境は爆発率に大凡線形的に影響を受け,爆発によって発生する破片が物体数の増加に直に結びついている.吟味したすべてのケースで,破砕率(爆発率)及び軌道摂動はスペース・デブリの空間体積を増加するように拡がる傾向にある.投棄軌道は,何れの高度(静止軌道よりも300キロメートル,500キロメートル高い軌道)も静止軌道で発生した破片の汚染を受ける.また,逆に,投棄軌道で発生した破片が静止軌道を汚染する.この結果を踏まえ,投棄軌道の高度を再検討しなければならないだろう. GEODEEMとGEO_EVOLVE1.0との比較に用いた仮定と評価においては,衝突が静止軌道環境の脅威となることはないであろう.この結論は,次世紀に掛けて適用可能であるし、他の研究者によってなされた以前の解析と一致する.衝突が発生するまでには、もっと長い時間が掛かるであろう.このオーダの予測時間は,計算機の技術的制約により、GEODEEMとGEO_EVOLVE1.0の能力を越えてしまう.しかし,静止軌道環境の長期的変遷を探究し,明確にすることは、計算コードの能力内であり、今後の課題として取り上げたい.
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[Publications] T.Hanada,T.Yasaka,H.Hirayama: "Low Velocity Projectile Impact on Spacecraft"Acta Astronautica. 47・10. 763-770 (2000)
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[Publications] T.J.Hebert,T.Hanada, et.al: "Optical Observations of The Orbital Debris Environment at NASA"Advances in Space Research. (in press).
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[Publications] T.Hanada,P.Krisko, et.al: "Consequences of Continued Growth in the GEO and GEO Disposal Orbital Regimes"Congress of International Astronautical Federation. IAA-00-IAA.606.06 (2000)
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[Publications] 花田俊也,八坂哲雄 他: "低速度衝突実験による2次元デブリの3次元飛散データ解析"第44回宇宙科学技術連合講演会講演集. 1236-1241 (2000)