2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10450375
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Research Institution | The Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
矢島 信之 宇宙科学研究所, システム研究系, 教授 (30200489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英一 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助教授 (40178710)
川口 淳一郎 宇宙科学研究所, システム研究系, 教授 (10169691)
八田 博志 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 教授 (90095638)
井筒 直樹 宇宙科学研究所, システム研究系, 助手 (90184639)
後藤 健 宇宙科学研究所, 宇宙推進研究系, 助手 (40300701)
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Keywords | 金星探査 / 気球 / 二重カプセル / 惑星探査 / 高温エレクトロニクス / 軽量球殻 / 冷却システム |
Research Abstract |
金星の低高度領域を長期間にわたって探査することを目的とした二重カプセル方式の気球プローブシステムについて以下の知見が得られた。 高温高圧環境である金星の低高度を浮遊する薄肉球殻方式の気球システムについて、高温高圧の浮遊環境を前提に、気球本体製造方法、運用方法等の諸条件を考慮して、気球本体を軽量に製作する方法についてこれまでの検討結果をまとめた。前年度までの試験片レベルの考察をもとに、内部搭載物を保持する構造および気球システムを組みあげる作業を念頭におき、以下の2つ方法について製造方法を具体的に検討し、2つのサブスケールモデルの試作およびその完成品に対する各種試験を行い、以下に示すように良好な結果を得た。これにより、環境条件が厳しいため実現が困難な低高度金星気球にたいし、電鋳法とフィランメントワィンディング(FW)法の両方法で高い実現可能性を示すことができた。 1 電鋳法 直径25cmのニッケルコバルト電鋳製小型モデルを製作した。ボス部および支柱部の設計を行い、特にボス部と電鋳部の密着性を考慮した。耐圧試験および微少加圧リーク試験を行い、ピンホールを1カ所発見した。ピンホールは局所的な電鋳により補修が可能である。これを補修後、ヘリウムリーク試験を行い、実機換算で1年以上浮遊可能であることが確認された。 2 FW法 樹脂ライナーとしてベクトラフイルム、CFRPとしては温度環境を考慮してBANIマトリックス複合材料を採用した。平行部直径30cmの小型球形モデルの設計と製作を行った。ボス部の気密性に問題を発見し補修後、耐圧試験およびリーク試験を行った。その結果、常温では、実機換算で数十年の気密保持性が確認されたが、これを浮遊温度環境下で検討すると、1週間の寿命となることがわかった。ライナーを厚くするか、PBOのように耐熱性およびガスバリア性の非常に高いフィルムが使用できれば数カ月以上の浮遊が可能になる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Yajima: "Three-Dimensional Gore Design Concept for High-Pressure Balloons"Journal of Aircraft. 38・4. 738-744 (2001)
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[Publications] 矢島 信之: "新しい設計原理によるスーパープレッシャー気球の実現-巨大膜構造体の耐圧特性の向上-"第9回スペース・エンジニアリング・コンファレンス日本機械学会論文集. (2001)
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[Publications] 矢島 信之: "惑星気球の可能性について"第1回 宇宙科学シンポジウム 集録. 213-220 (2001)
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[Publications] 矢島 信之: "金星気球の種々の方式"第16回 大気圏シンポジウム. (2001)
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[Publications] 後藤 健: "電鋳による低高度金星気球の試作"平成13年度 大気球シンポジウム. (2001)