1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10460005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大西 近江 京都大学, 農学研究科, 教授 (20109044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 康夫 京都大学, 農学研究科, 助手 (70293917)
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Keywords | ソバ / 野生祖先種 / 非脱粒性遺伝子 / アロザイム / RAPD / 系統類縁関係 |
Research Abstract |
中国雲南省,四川省,東チベットにおける野生ソバの現地調査によってソバの野生祖先種F.esculentum ssp.ancestralisの分布が明らかになった。それら地域から収集したソバの野生祖先種6集団についてADHなど12の酵素の16遺伝子座におけるアロザイム変異を調査し.これまで得られていた栽培ソバの集団に関するデーターと比較しどの野生集団が栽培集団に近縁かを推定した。また、RAPDマーカーを用いて野生祖先種集団と栽培集団の類縁関係を推定するため.現在各集団の数個体からCTAB法により全DNAを抽出しつつある。 種子を利用するため野生植物が栽培化される時,一番顕著な変化は野生状態では種子が脱粒性を持つが栽培化されると脱粒性を失って非脱粒性となることである。野生祖先種と栽培種との交配によりF_1F_2を作成し,分離比の観察からソバでは脱粒性は1個の優性遺伝子により支配されており.非脱粒性をひきおこす劣性対立遺伝子は栽培集団では全ての個体がホモであるが,野生祖先種の野生集団でもこの劣性非脱粒性遺伝子は数%という高い頻度で集団中に保有されていることが明らかになった。栽培化にはこの野集団の非脱粒性遺伝子が利用されたのであろう。
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Research Products
(1 results)