1998 Fiscal Year Annual Research Report
ムラサキヒシャクゴケのアルミニウム結合性糖鎖構造の解析
Project/Area Number |
10460029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 悦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10130303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 直子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70156066)
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Keywords | ムラサキヒシャクゴケ / アルミニウム / 細胞壁 |
Research Abstract |
コケ(Scapania undulata)の葉の細胞分画を以下の手順で行った.試料には,酸性領域(pH3.6〜3.7)で生息するコケと中性領域(pH5.6〜5.7)で生息するコケを用い,これらを水冷下,ガラス乳鉢とガラス乳房でホモジナイズした.抽出バッファには1.5%SDSを含むMES/NaOH緩衝液(pH6.5)を用いた.このホモジネーとを遠心し,沈殿に更に緩衝液を加え,再び遠心した.上清を合わせて,細胞質及び膜画分とし,沈殿を細胞質画分とした.上清両分は0.1mmのディスクフィルターでろ過した後,細胞壁画分は硝酸を用いた湿式灰化の後,ICP発光分析によりAlの定量を行った. 酸性水域のコケのAlは,細胞質.膜タンパク質画分で166μg/g,細胞壁画分に266μg/gと細胞壁に全Alの約60%が存在していた.中性領域のコケでは,細胞質.膜タンパク質画分で228μg/g,細胞壁画分に1830μg/gと細胞壁に全Alの約90%が存在しており,Alの増加がほとんど細胞壁のAlによっていることが明らかとなった. 得られた細胞壁画分を0.02%NaIO3を含む0.2%ヘマトキシリン溶液に40分浸漬し,Alの染色を行った.染色を行わない試料の光学顕微鏡観察では細胞の内容物がほぼすべて消失していた.ヘマトキシリンによる染色では,中性領域に生息するコケ由来の細胞壁のみが紫色に染色され,Alが細胞壁に存在することが再確認された.
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Research Products
(1 results)