1999 Fiscal Year Annual Research Report
超耐熱性4-α-グルカン転移酵素のX線構造解析と反応機構に関する研究
Project/Area Number |
10460035
|
Research Institution | Aomori University |
Principal Investigator |
松沢 洋 青森大学, 工学部, 教授 (00011966)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏信 進矢 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00302589)
若木 高善 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70175058)
上家 勝芳 青森大学, 工学部, 助手 (70275519)
|
Keywords | 4-α-グルカン転位酵素 / 転位酵素 / Glycosyl hydrolase / 耐熱性酵素 / 環状糖 / サイクロアミロース / X線結晶解析 / 部位特異的変異 |
Research Abstract |
Thermococcus litoralisの4-α-グルカン転移酵素は、オリゴマルトースならびにアミロースを基質にして、糖転移反応によりα-1,4-結合をもつ直鎖糖ならびに環状糖(サイクロアミロース)を生成する。本研究により以下のことが明らかになった。 1 本酵素遺伝子の大腸菌発現系では、可溶性酵素の生産量は低く、大量の封入体か蓄積する。本酵素遺伝子は大腸菌のアルギニンRare codonであるAGA,AGGの含量が高い。そこで、tRNA_<AGA>,tRNA_<AGG>,GroELSと共に本酵素遺伝子を発現させたところ、可溶性画分の本酵素の生産量は約5倍に上昇した。 2 人口基質3-Ketobutylidene-β-2-chloro-4-nitrophenyl-maltopentaosideを用いた解析により、グルコースを受容体としたときの本酵素の糖転移反応はPing-Pong BiBi機構で進むことが明らかになった。 3 本酵素はGlycosyl hydrolaseのファミリー57に属する。本ファミリーの酵素は立体構造、活性中心残基とも分かっていない。一般にGlycosyl hydrolaseでは二つの酸性残基が触媒として働いており、これら残基はファミリー内で保存されている。本ファミリーの酵素を比較したところ、8残基が保存されていた。部位特異的変異により作製した酵素を解析した結果、Glu123,Asp145,Asp214,Glu216,Asp354が活性中心およびその周辺に位置していることが示唆された。 4 本酵素の結晶は、硫酸アンモニウムとPEG400を沈殿剤として得られた。その空間群はP6_422、格子定数はa=b=125,c=246Åであった。今後、重原子置換体、セレノメチオニンラベルとした結晶を用いて解析を進めていく。
|