1998 Fiscal Year Annual Research Report
好熱性絶対共生細菌における微生物間共生の分子機構とその生態学体的解析
Project/Area Number |
10460045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
別府 輝彦 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80011873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 賢志 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (00277401)
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Keywords | Symbiobacterium thermophilum / symbiosis / growth factor / thermophiloc bacterium |
Research Abstract |
Symbiobacterium thermophilumはその生育を支持菌であるBacillus S株に依存する絶対共生型の細菌である。このS.thermophilumの生育支持因子に関して以下のことを明らかとした。まずこの菌に特異的なプライマーを構築しそれを用いた定量PCR法を確立することでこの菌の迅速かつ信頼性の高い検出・定量法を確立した。次に隔膜で互いに隔てられた2つの槽からなる培養槽を設計し、それぞれの槽に支持菌とS.thermophilumの単独菌液を植菌することで支持菌槽から拡散する低分子物質によりS.thermophilumの増殖がおこることを見出した。また支持菌の単独培養上清を添加した培地においてもS.thermophilumの単独培養が微弱ながら成立することが判明した。また培地pHを7.5に調整することでも微弱な生育がおこることも判明した。これら上清添加培地やpH調整培地における増殖ではS.thermophilumの細胞分裂に異常が認められ、通常の5-20倍も伸長した細胞形態を示すことが観察された。生育支持活性はBacillus S株に限らず、枯草菌や大腸菌にも認められた。一方,酵母の培養上清には活性は認められなかった。以上の結果から、S.thermophilumの生育支持因子は細菌に普遍的な低分子性の代謝産物であり、その継続的な供給がこの菌の正常な分裂と増殖に必須であることが明らかになった。
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