1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10460066
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斉藤 明 九州大学, 農学部, 教授 (30253511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作田 耕太郎 九州大学, 農学部, 助手 (10274523)
玉泉 幸一郎 九州大学, 農学部, 助教授 (80205062)
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Keywords | スギ / 林冠 / 葉内窒素 / 積算葉面積指数 / 光合成速度 / 蒸散速度 |
Research Abstract |
スギ林冠の葉内窒素の垂直分布について調べた。葉内窒素は林冠上部で高く、下部で低下した。この低下の程度は積算葉面積指数や光強度に追随し、葉内窒素濃度は積算葉面積指数を変数とした指数関数式で表わされた。よって、スギ林分の葉内窒素分布は積算葉面積指数の測定から推定することが可能であった。さらに、生育立地を異にする場合の葉内窒素分布について調べた結果、すべての立地においてこの指数関数式が成立し、同様の関係が成立することが明らかにされた。しかし、立地が異なった場合、関数式の係数値を変化させる必要があり、この値は林冠の最上部の葉内窒素により決定された。 スギ林冠の光合成速度と蒸散速度の垂直分布を測定した。蒸散・光合成速度ともに林冠上部で高く、下部で低かった。林冠の日光合成速度を推定した結果、林冠の光合成の殆どは林冠上部に依存していることが明らかになった。さらに、測定葉の光合成特性を室内実験により決定し、光強度、温度、水分(木部圧ポテンシャル)を変数とする光合成の推定のためのモデル式を作成した。このモデル式と、実測された3変数を用いて、日光合成速度を推定した。その結果、推定値と実測値にはほぼ1:1の関係が得られ、精度良く推定できるモデルであることが確認された。今後は、このモデル式を年光合成速度の推定モデルに拡張することが課題となる。
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