2000 Fiscal Year Annual Research Report
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10460068
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
水永 博己 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (20291552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
角張 嘉孝 静岡大学, 農学部, 教授 (60126026)
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Keywords | 人工林 / 林冠構造 / 更新材料 / 天然林型林分 |
Research Abstract |
人工材から天然型林分へ誘導することが求められる局面が増えつつある。しかし、こうした誘導技術関する情報は殆どない。このため、人工林内の更新材料や伐採後の稚樹の成長生存様式を調べ、林冠構造の管理との関係を解析することを本研究の目的とする。今年度は以下の項目について研究を行った。 1 人工材内における更新材料 照葉樹天然林に隣接する人工林の稚樹密度は、隣接照葉樹林の稚樹密度と関系がみられず一般に低かった。特にイスノキ・タイミンタチバナなどは天然林より低密度の傾向にあった。 2 ギャップの稚樹定着に及ぼす影響 人工林内に円形のギャップを設定し、実生の発生を材冠下と比較した。自然散布による稚樹の発生数非常に少なく、ギャップの影響は認められなかった。ギャップ創出から植生発達までのタイムラグが大きいことを意味しており、ギャップの効果は一年では現れないものと考える。ギャップ内と林冠下にホソバタブとイスノキを播種したところ、ホソバタブの発芽率はギャップ率に正の相関が、イスノキの発芽率は負の相関がみられた。しかし枯損率はギャップによる違いは認められなかった。 3 ギャップと稚樹の生理生態的特性 人工林内でPPFDを連続測定し、ほぼ1月ごとにイスノキの光合成速度の日変化を測定した。列幅5mのギャップ内にある個体の年間の物質生産速度は林冠内個体のほぼ3倍に相当した。 4 林冠修復課程における稚樹の物質生産予測モデルの開発 間伐後の林冠構造を予測して、光環境を予測して光合成速度の違いをシミュレートした。ギャップサイズはギャップ内の個体の光合成速度の増加に寄与するが、ギャップから4-5m北側の光合成速度には全く影響を及ぼさなかった。すなわち大きなギャップを創出しても、その影響の及ぶ範囲はギャップ内とその周囲4m以内であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mizunaga,H.and Umeki,J.: "The relationships between tree size and spatial distribution foliage-mass within crowns of Japanese cedars in young plantations."Forest Ecology and Management. (in Press).
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[Publications] Mizunaga,Hiromi: "Prediction of PPFD varianace at forest floor in a thinned Japanese cypress p1antation."Forest Ecology and Management. 126. 309-319 (2000)