1999 Fiscal Year Annual Research Report
木質材料からのホルムアルデヒド放散の低減法に関する研究
Project/Area Number |
10460070
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
富田 文一郎 筑波大学, 農林工学系, 教授 (40012075)
|
Keywords | ユリア・ホルムアルデヒド樹脂 / ホルムアルデヒド放散 / 尿素 / ホルムアルデヒド捕捉剤 / メラミン / ポリヒドラジド / 前処理 / 後処理 |
Research Abstract |
木質材料の製造にはホルムアルデヒド系樹脂接着剤が多用されているため、使用中にホルムアルデヒドが放散する。ホルムアルデヒドは、人体に有害とされており、木質材料の利用を推進していくには、この問題を抜本的に解決する必要がある。本研究は、このような観点から、合板製造におけるユリア樹脂のホルムアルデヒド捕捉剤(キャッチャー剤)の開発とその利用法の開発に重点を置いた。 メラミン、モノメチロールメラミン、酸性亜硫酸ソーダー、ポリヒドラジド化合物等各種薬剤についてそのホルムアルデヒド捕捉効果を検討した結果、低分子ならびに高分子タイプのポリヒドラジド化合物にホルムアルデヒド捕捉効果を認めたが、その効果は一般に高分子タイプの方が高かった。また、キャッチャー剤の利用法として、接着剤混合法、被着材(単板)へのキャッチャー剤による前処理法と製造した合板の後処理法について検討した。その結果、接着剤混合法より被着材への前処理に効果を認めたが、合板製造後の加工に伴う新たに生じる切断面からの放散を抑制できないことが判明した。一方、合板加工後、切断面と表面を捕捉剤で後処理を行った場合には、著しい効果を認めた。とくに、処理直後にも高い効果が認められたが、長期(3ヶ月後)の放置では一層の効果が確認された。 以上のように、効果のあるホルムアルデヒド捕捉剤を開発すると同時に、捕捉剤を接着剤に混合または被着材の前処理に使用するより、製品の後処理の方が、簡便かつ製品の加工に伴って生成する切断面の処理も行いうることから実用的には有利であることを確認した。
|