2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10460072
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
奥山 剛 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00023482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺沢 実 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50003124)
吉田 正人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30242845)
山本 浩之 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50210555)
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Keywords | 肥大成長 / SEM-EDX / 膨圧 / 日周期 / ミクロフィブリル / グルコマンナン / 細胞壁 / 免疫金染色 |
Research Abstract |
この研究の目的は、日照の日周期に起因する形成層細胞の膨圧の変動が、細胞壁形成過程における細胞壁の物理的伸縮を生じさせ、その物理的な細胞壁の伸縮がリグニン、ヘミセルロースの沈着に影響することを検証することにある。 最終年度である今年度は、免疫金染色法を適用し、細胞壁堆積の日周期を検出することができた。すなわち、名古屋大学苗場に植裁されたスギについて、連続測定している内樹皮接線ひずみによって確認された最大の膨圧状態にある分化中細胞を朝6:00に採取した。一方、膨圧が最小となった16:00に再び試料を採取し、二次壁内壁をグルコマンナンを選択的に染色する免疫金染色を行いSEM-EDX分析によって金粒子を可視化した。 その結果、日中に採取した試料から細胞質を取り除いた二次壁内面はミクロフィブリル束が一定の角度で整然と堆積している状況がはっきりと見られた。一方、朝6時に採取した試料の二次壁内面には、無定型の物質がミクロフィブリル束の上面を覆い、金粒子がびっしりと付着しているのが確認された。このことは、分化中細胞の内面には、日中にセルロースが夜間にはヘミセルロース(今回はグルコマンナン)が堆積することを示し、細胞壁主成分の堆積に日周期があることが証明さた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yoshida,M., et al.: "Estimating the equilibrium position by measuring growth stress in weeping branches of Prunus spachiana f.spachiana cv.Plenarosea."J.Wood Sci.. 46(1). 59-62 (2000)
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[Publications] Yoshida,M., et al.: "Strain changes on the inner bark surface of an inclined coniferous sapling producing compression wood."Holforschung. 54. 664-668 (2000)
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[Publications] Yoshida, M., et al.: "Periodicity as a factor in the generation of isotropic compressive growth stress between microfibrils in cell wall formation during a twenty-four hour period."Holforschung. 54. 469-473 (2000)