1999 Fiscal Year Annual Research Report
白色腐朽菌が産生するエーテル結合開裂酵素によるダイオキシン類のin vitro分解
Project/Area Number |
10460076
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
近藤 隆一郎 九州大学, 農学部, 助教授 (80091370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 智 福岡県保健環境研究所, 専門研究員
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Keywords | ダイオキシン類 / 白色腐朽菌 / バイオレメディエーション / in vitro分解 / エーテル結合開裂 / リグニン / ダイオキシン分解酵素 |
Research Abstract |
最近ダイオキシンによる環境汚染が深刻な社会問題となっている。本研究は担子菌のxenobioticリグニン分解能力を環境浄化に応用しようとするバイオレメディエーション技術の開発を目的としている。担子菌のなかで白色腐朽菌は、天然の三次元ポリマーである木材中のリグニンを分解できる唯一の微生物群であり、その酵素系は他の微生物にみられない特異な機能を有している。本研究では、白色腐朽菌が産生するエーテル結合開裂酵素に注目し、ダイオキシン類のin vitro分解を試みるものである。リグニンの化学構造の約50%はアリールエーテル型構造であり、リグニンの生分解がスムーズに進行するためには、この構造を特異的に開裂する酵素が存在するのではないか、との仮説のもとに本研究に着手した。前年度はエーテル結合の開裂を指標にスクリーニングを行い、高活性ダイオキシン分解菌MZ-340株の分離に成功した。今年度得られた知見は以下の通りである。 1.菌体外粗酵素液によるダイオキシン類のin vitro分解:前年度に選抜した高活性ダイオキシン分解菌MZ-340株を種々の培養条件下で液体培養を行い、粗酵素液を調製した。その粗酵素液によりダイオキシン類の標準品の分解を試み、2塩素置換から8塩素置換のすべてのダイオキシン類が減少することを明らかにした。このように、高塩素置換ダイオキシン類がin vitroで分解可能であることを示したのは世界ではじめての知見である。 2.ダイオキシン分解酵素の単離および精製:MZ-340株の培養条件を詳細に検討し、ダイオキシン分解酵素を多量に産生する条件を見い出し、酵素の大量調製を試みた。ダイオキシンの分解反応でモニターしながら、各種クロマトグラフィーにより単離、精製を試みている。
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