1999 Fiscal Year Annual Research Report
魚介類筋肉トリメチルアミンオキシドの酵素および非酵素的分解と品質への影響
Project/Area Number |
10460090
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関 伸夫 北海道大学, 水産学部, 教授 (20002090)
|
Keywords | トリメチルアミンオキシド / TMAOase / スケトウダラ / ホルムアルデヒド / ジメチルアミン / TMAO / 酵素 / 精製 |
Research Abstract |
スケトウダラ筋肉中には60-100mMと多量のトリメチルアミンオキシド(TMAO)が存在しており、肉の貯蔵中にTMAOaseによってジメチルアミンとホルムアルデヒドに分解される。しかし、本酵素はその不溶性のためにこれまで単離精製されていないので、その性状は不明である.昨年度の研究でアセトン処理したスケトウダラ筋肉から本酵素を可溶化抽出できることを報告した.そこで,本年度は精製方法を改良するとともにその精製を進め,部分精製した酵素の性状について調べた. 改良法の要点は次の様である.スケトウダラ筋原繊維画分をアセトン処理することなくI M NaClで可溶化した後,pHを4.5に調整して酸処理をおこなうと,本酵素は収量65%で可溶化され,比活性は68倍に増大した.さらに,DEAE-セルロースクロマトグラフィーとゲル濾過で,収量13%,比活性は13,000倍に部分精製された.この部分精製標品をnative PAGEで精製すると電気泳動的に均一な精製品が得られた. 本酵素はゲル濾過(0.1 M NaCl,pH7.0)では分子量40万であったが,SDS-PAGEでは25kDaを示したことから,生理塩濃度下では会合体あるいは凝集体を形成している.本酵素は至適pH7.0で,TMAOに対するkm値は30mMと高いが,肉中の基質濃度が高いことから,その濃度を維持する役割が推測された.本酵素の活性化エネルギーは0-30℃の範囲で9.2kcal/mol/deg.で通常の酵素反応のそれと同じであった.本酵素の活性化にはcofactorとしてFe^<2+>とシステイン,アスコルビン酸,DTTのような還元剤が必要である.これらの還元剤はFe^<2+>の酸化防止のために必要であることが明らかとなった.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] C. Nakahara: "A comparison of cross-linking of fish myofibrillar proteins by endogenous and microbial transglutaminases"Fisheries Science. 65・1. 138-144 (1999)
-
[Publications] M. Kimura: "Occurrence and some properties of trimethylamine-N-oxide demethylase in myofibrillar fraction from walleye pollack muscle"Fisheries Science. 66・(予定). (2000)