2001 Fiscal Year Annual Research Report
培養環境が不定胚形成に及ぼす影響の共焦点レーザー顕微鏡による観察
Project/Area Number |
10460114
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90161736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荊木 康臣 山口大学, 農学部, 助教授 (50242160)
兼子 敬子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50332599)
富士原 和宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30211535)
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Keywords | 不定胚 / ニンジン / カルシウム / pH / 共焦点レーザー顕微鏡 / レーシオイメージング |
Research Abstract |
昨年度までのいろいろな試行で、蛍光プローブとしてfluo-3とFra Redを用いたレーシオイメージング法による不定胚内カルシウムイオン濃度測定法の基本は確立できたが、未だにin vivoキャリブレーションに不確実性が残っていた。そこで、本年度は、最終年度でもあるので、in vivoキャリブレーションに於ける温度とpHの影響を徹底的に調べ、測定法の確立を急いだ。そのため、蛍光プローブとしてcarboxy-SNARF-1を用いた細胞内pHの測定法を、そのin vivoキャリブレーション法も含めて確立し、細胞内カルシウムイオン濃度とpHの測定をあわせて行った。なお、carboxy-SNARF-1によるpH測定は1波長励起2波長観察によるレーシオイメージングによった。その結果、次の点が明らかとなった。 1.細胞内のカルシウムイオン濃度測定のレーシオ(以後、Ca-レーシオ)は温度の影響を受けた。 2.細胞培養の培地のpHを変化させると、細胞内pHは変化しないが、Ca-レーシオは変化した。 以上のことから、不定胚内カルシウムイオン濃度測定には、温度を培養時と同じにし、培養時の培地で測定する必要があることがわかった。昨年度までのキャリブレーションの不確定さは以上の2点の問題であると推察された。上記の知見に基づき、カルシウムイオン濃度とCa-レーシオのin vivoキャリブレーションを行い、不定胚内カルシウムイオン濃度とpHの観察を行った。その結果、カルシウムイオン濃度は、不定胚誘導処理後、低下し、処理後7日目の球状胚が観察され始めると急激に上昇することがわかった。一方、継体を繰り返し、不定胚形成能を失った細胞では、カルシウムイオン濃度の上昇は認められなかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ibaraki, Y., Hirashima, H., Kurata, K.: "Rario imaging of Ca^<++> in carrot somatic embryos"(発表予定).