1999 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球寄生性原虫集団の分子生態学的研究と生物学的多様性獲得機序の解明
Project/Area Number |
10460126
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉本 千尋 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90231373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90250498)
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
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Keywords | 遺伝子多型 / DGGE / Theileria / 抗原変異 / ピロプラズマ / 変異解析 |
Research Abstract |
ホルムアミド/尿素を変性剤として含む濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)によって、Theileria sergentiピロプラズマ表面抗原遺伝子(MPSP)の多型性および変異解析を行った。まずPCRによって、国内各地で得られた牛感染血液材料から千歳型/池田型MPSP遺伝子をそれぞれ増幅し、0-40%ホルムアミド濃度勾配ゲル電気泳動でPCR産物を分析したところ、移動度の異なるバンドが観察された。ある試料からは複数のバンドが得られ、本手法が原虫集団解析ならびにMPSP遺伝子の多型性解析に極めて有効な手段であることが明らかとなった。 持続感染時に牛体内でMPSP遺伝子の変異が起きるか否かを、クローン化原虫(千歳株)感染牛血液試料を用いて検討した。本原虫は牛で血液継代3代繰り返したもので、それぞれの牛について複数の寄生ピークで出現する原虫の遺伝子解析を行った。その際、MPSPを標的とするPCR反応の産物をTベクターにクローニング後、再度PCRを行った産物をDGGE分析した。その結果、移動度の異なるバンドが出現したが、多くはTaqポリメラーゼによる複製エラーによるものと考えられた。そこで既知MPSPクローンについてPCRと再クローニングを行い、その塩基配列解析から複製エラーによる変異出現頻度を求め、その数値に対する補正を行った結果、クローン化原虫において持続感染時にMPSP遺伝子の点突然変異が起きている可能性が明らかにされた。
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