1998 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ膵臓の成長ホルモンの発現作用機序と遺伝子の塩基配列の決定
Project/Area Number |
10460134
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
土屋 剛 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (40217336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉手 英利 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (90163675)
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Keywords | ウシ / 成長ホルモン / 膵臓 / グルカゴン / 免疫組織化学 / 塩基配列 / PCR |
Research Abstract |
1. ウシ膵臓のGRF様物質とGH様物質の塩基配列の決定 ウシ膵臓よりmRNAを抽出して,RT-PCR法でウシ膵GRFとウシ膵GHのcDNAを増幅した。GRFのプライマーにはヒト視床下部GRFとヒト膵GRFとウシ視床下部GRFのmRNA塩基配列をもとに設計した。また,GHのプライマーにはGH・PRLファミリーのウシGH,ウシPRL,ウシPL,サケSL,ニワトリGH,ニワトリPRLのmRNAの塩基配列をもとに設計した。設計したGRFおよびGH・PRLファミリーのプライマーでは,いずれもウシ膵臓のGRF様およびGH様物質のcDNAは増幅されなかった。しかし,ウシ視床下部GRFcDNAと下垂体のGHcDNAはウシ視床下部GRFとウシGHのプライマーによって増幅された。また,ウシ胎盤のPLcDNAはウシPLのプライマーによって増幅された。 2. GRF、GH・PRLファミリー、IGFの局在 ウシ膵臓の抗GRF陽性細胞は膵ポリペプチド(PP)細胞に局在していた。抗GH陽性細胞はA細胞に一致していた。また、A細胞は抗PRL,抗SL,抗PLの抗体に陽性反応を示した。IGFは大膵島には存在せず、膵島細胞ではA細胞に、外分泌部では導管系の細胞に局在していた。 以上の結果よりウシの膵臓のA細胞に局在するGH様物質は、GH・PRLファミリーの共通のアミノ酸配列をもつと考えられる。それゆえ、GH・PRLの祖先型のプライマーの設計が必要と考えられる。また、ヒトの膵臓GRFと視床下部GRFの塩基配列の相同率が63%であることから、ウシ膵臓GRFのプライマーの設計が必要と考えられる。
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