1999 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ膵臓の成長ホルモンの発現機序と遺伝子の塩基配列の決定
Project/Area Number |
10460134
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Research Institution | ISHINOMAKI SENSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土屋 剛 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (40217336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉手 英利 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (90163675)
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Keywords | ウシ / 成長ホルモン / 膵臓 / グルカゴン / 免疫組織化学 / 塩基配列 / RT-PCR |
Research Abstract |
1.ウシ膵臓のGRF様物質とGH様物質の塩基配列の決定 ウシ膵臓よりmRNAを抽出して,RT-PCR法でウシ膵GRFとウシ膵GHのcDNAを増幅した。GRFのプライマーにはヒト・ウシ視床下部GRF・ヒト膵GRF(MIZB)、ヒト・ウシラット視床下部・ヒト膵臓(MIZR)、ラット視床下部・ラット卵巣(GHRH)をもとに設計した。また,GHのプライマーにはヒト・ウシ・ウシガエル・ヒツジ・ブタ・ニワトリ・アヒル、ワニ・ウミガメ、ラット・ニワトリ(rcGH)、ヒト・ニワトリ(hcGH)のアミノ酸と塩基配列をもとに設計した。ウシ膵臓のGRF様物質のcDNAはわずかだがMIZRプライマーで増幅された。しかし、GH様物質のcDNAは増幅されなかった。しかしバリケンではMIZRとGHRHでGRFcDNAのシングルバンドが、rcGHとhcGHのプライマーでGHcDNAのシングルバンドが検出された。 2.GRF様とGH様物質の局在 ウシ膵臓の抗GRF陽性細胞は膵ポリペプチド(PP)細胞に局在していた。また、PP細胞は膵体・背側部に多く存在した。抗GH陽性反応は小膵島のA細胞と大膵島のインスリン陽性細胞に観察された。小膵島のA細胞と大膵島の細胞は抗PRL,抗SL,抗PLの抗体に陽性反応を示した。また、大膵島の抗GH反応は分娩前で強く、生後成長とともに弱くなり、3ヶ月齢では反応はほとんど消失した。 大膵島は胎齢2ヶ月で確認され、その面積は分娩前で最大となり、生後6ヶ月では消失した。以上の結果よりウシ膵臓のGH様物質は小膵島のA細胞と大膵島の細胞に局在し、胎児と新生児の成長に深く関与していることが示唆された。
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