2000 Fiscal Year Annual Research Report
閉鎖生態系循環式水棲生物飼育システムの構築に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
10460143
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF FISHERIES |
Principal Investigator |
竹内 俊郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (70092591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 秀一 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80154053)
酒井 清 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (70017060)
北宅 善昭 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (60169886)
吉崎 悟朗 東京水産大学, 水産学部, 助手 (70281003)
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Keywords | 閉鎖生態系 / 飼育システム / 循環式 / ティラピア / 微細藻類 / 動物プランクトン / 窒素 / リン |
Research Abstract |
本研究は,ティラピアの閉鎖生態系循環式飼育システムの構築を目的に,微細藻類,動物プランクトンおよび魚類の各種間のガス交換および物質循環を行い,水圏系内において,生物間の食物連鎖を利用することにより,それらの効率化を図ることを目的に種々の基礎的データの集積を図った。 本年度は,1)微細藻類培養のための最適光環境条件を求めるため,光質および光強度がEuglena gracilis(ユーグレナ)の増殖速度に及ぼす影響,2)乾燥および生のスピルリナを用いたティラピアの飼育試験,3)循環式動物プランクトン培養装置の開発,などを実施した。 その結果,1)ユーグレナの増殖速度を促進する光環境条件として,青色光と赤色光の光量子束比が1:4で,光合成有効光量子束が90μmolm^<-2>s^<-1>の時が最適であること,2)ティラピア稚魚(体重2-3g)はスピルリナの乾燥粉末をペレット状にしたもの,あるいは生のスピルリナをそのまま与えても,ともに順調に成長するが,生を与えた方が選りすぐれた成長を示すこと,スピルリナの組成が,ティラピア魚体の体組成に良く反映すること,3)循環式プランクトン培養装置では,餌と水溶成分を分離するフィルターを工夫する必要があること,などを明らかにした。 本年度の実験から,微細藻類のみでティラピアを仔魚から成魚まで飼育できる可能性が明らかになるとともに,藻類-動物プランクトン,藻類-魚類の系が閉鎖系で構築できる基礎的データが得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 竹内俊郎,吉埼悟朗,佐藤秀一 他4名: "閉鎖生態系循環式養殖システム(CERAS)の開発に関する研究VI"CELSS JOURNAL. 13(1). 19-26 (2000)
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[Publications] 吉埼悟朗,竹内俊郎 他5名: "食物連鎖を簡略化したティラピアOreochromis niloticusの養殖システムに関する研究"CELSS JOURNAL. 13(1). 13-17 (2000)