1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物の光シグナル伝達機構とcGMPによる遺伝子発現調節機構の解析
Project/Area Number |
10460148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山形 裕士 神戸大学, 農学部, 助教授 (00159203)
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Keywords | 光シグナル伝達 / cGMP / プロテインキナーゼ / 遺伝子発現調節 / チロシンリン酸化 / 植物遺伝子発現 / 光独立栄養培養細胞 / セリン / スレオニンキナーゼ |
Research Abstract |
植物の細胞内光シグナル伝達の分子機構を解析し、以下の結果を得た。 1 光シグナル伝達仲介物質であるcGMPの合成を司るグアニル酸シクラーゼ(GC)の存在を証明するため、アラビドプシスのcDNAライブラリーからアラビドプシスESTクローンをプローブとしてcDNAクローニングを行い、動物のGC触媒領域と一部ホモロジーを有する全長クローンを単離した。このcDNAはシグナルペプチドを含む274アミノ酸から成る疎水性の強いポリペプチドをコードしていた。 2 cGMPのターゲット分子であることが推測されるcGMP依存性プロテインキナーゼのcDNAクローニングを行い、一個の完全なcGMP結合ドメインを含む完全長クローンを単離した。しかし、この遺伝子はプロテインキナーゼの触媒領域を含んでいなかった。 3 ダイズの光独立栄養培養細胞(SB-P細胞)中に光依存的にチロシンがリン酸化される蛋白質を見出し、その生化学的特性を解析した。その結果、本蛋白質が光によって一過的に活性化するセリン/スレオニンキナーゼであることを認めた。さらに、本キナーゼはチロシンが光依存的にリン酸化されることにより活性化することを明らかにした。また本酵素は青色光によって活性化され、青色光シグナル伝達に関与していることが示唆された。 4 cGMPによる遺伝子発現調節の多様性を明らかにすることを目的に、cGMPにより発現量が変動する遺伝子をPCRサブトラクション法によって単離し、ファイトアレキシン合成系酵素遺伝子の発現がCGMPによって誘導されることを認めた。また、数種のプロテインキナーゼ遺伝子の発現がcGMPによって抑制された。これらのcGMPによって発現が誘導または抑制される遺伝子のうち、いくつかの遺伝子をクローニングした。
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