2000 Fiscal Year Annual Research Report
植物の光シグナル伝達機構とcGMPによる遺伝子発現調節機構の解析
Project/Area Number |
10460148
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山形 裕士 神戸大学, 農学部, 助教授 (00159203)
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Keywords | 光シグナル伝達 / プロテインキナーゼ / MAPキナーゼ / cGMP / CDPK / ダイズ培養細胞 / フィトクローム |
Research Abstract |
植物の細胞内光シグナル伝達、特にフィトクロームを介する光シグナル伝達の分子機構を解明するため、光シグナル伝達を仲介すると考えられるプロテインキナーゼを精製し特性を解析した。また、セカンドメッセンジャーであるcGMPの役割を解明するため、cGMPによって発現が抑制される遺伝子をクローニングした。 1.前年度までにダイズ光独立栄養培養細胞中に検出した光依存的な一過的チロシンリン酸化を受けて活性化する46 kDaセリン/スレオニンプロテインキナーゼ(LAPK;light-signal activated protein kinase)の特性をさらに詳細に検討した。LAPKの活性化/不活性化機構や、基質特異性等の特性から、LAPKがMAPキナーゼ様プロテインキナーゼであることを示した。また、LAPKの光による活性化は活性酸素等による二次的な影響ではないと考えられた。LAPKを各種クロマトグラフィーにより、インゲルアッセイでプロテインキナーゼとしては単一のバンドにまで部分精製した。今後、本酵素の精製と部分構造解析、cDNAクローニング、さらに遺伝学的手法による機能解析を進める。 2.前年度までにPCRサブトラクション法により、ダイズSB-P細胞よりcGMPによって発現が抑制される遺伝子の一つとして得たCDPK cDNA断片をプローブとしてダイズcDNAライブラリーより全長cDNAクローン(CDPK-B)を得た。さらにinverse PCRによりダイズCDPK-B遺伝子を単離し、約1.2kbのプロモーターの塩基配列を決定した。プロモーター中には光抑制に関与するシスエレメント(RE-3)のコア配列(TGGG配列)およびエンドウpra2に報告されたDE1エレメントに類似の配列(GGATTTTA/T)が存在していた。今後、これらの配列を中心に光およびcGMPによる発現抑制に関わるシス配列とこれに結合する転写因子の解析を進める。
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