1999 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素消去遺伝子の発現機構解明と環境ストレス耐性植物育種
Project/Area Number |
10460149
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 國介 京都府立大学, 農学部, 教授 (90027194)
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Keywords | スーパーオキシドディスムターゼ / アスコンビン酸パーオキシターゼ / イネ / 遺伝子発現制御 / グルタレドキシン / チオレドキシ / Redox制御 / 形質転換タバコ |
Research Abstract |
スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、アスコルビン酸パーオキシダーゼ(APX)が、植物体内で酸素ストレスに対し時期特異的、組織特異的に対応する分子機構を解明する目的で、核遺伝子中の各分子種に対応するプロモーターを含む遺伝子の5'末上流構造の解析(シス因子)と同時に、遺伝子に作用する核内因子(トランス因子)を明確にすることを目的に研究を進めた。また、今年度はSOD、APXを過剰発現する形質転換タバコを作出し、種々のストレスに対する耐性を調査した。 その結果、本年度は以下に示す成果を得た。 1.植物の細胞質型スーパーオキシドディスムターゼ、グルタレドキシン、チオレドキン遺伝子のプロモーター領域に酸化・還元状態(Redox)に対応し発現調節するために機能していると考えられる77塩基から成る共通配列が存在する事が判った。 2.上記の共通配列に特異的に結合する核タンパク質が存在することも確認した。 3.植物から単離したSOD(ホウレンソウ)、APX(シロイヌナズナ)をタバコの葉緑体内に過剰発現する形質転換タバコを作製した。この形質転換体は非形質転換タバコに比べ、低温、乾燥ストレスに対し強い耐性を示した。
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