1999 Fiscal Year Annual Research Report
四肢の分化メカニズムに関する発生学的・分子細胞生物学的研究-プログラム細胞死(アポトーシス)と組織remodellingの関連について-
Project/Area Number |
10470004
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩田 浩平 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80109529)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 誠 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30232341)
成瀬 一郎 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20113326)
森 千里 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90174375)
滝川 俊也 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90263095)
|
Keywords | 四肢原基 / 細胞死 / 血管リモデリング / メタロプロテアーゼ / カスパーゼ / マウス / Hammer-toe |
Research Abstract |
指の分離過程における細胞死と血管リモデリングの役割を解析するため、胎齢11〜15日(膣栓日=0日)のICR系とHammer-toe(Hm)ミュータントマウスの胎児四肢を免疫組織化学、ナイルブルー染色、およびTUNEL法によって調べた。ICRマウス胎児の四肢においては、12日から指間部で細胞死が起こり、また12〜14日にかけて指間部で微小血管の再構成が起こることが確認された。In situ hybridizationによって、血管リモデリングの部位に一致してgelatinase A/MMP-2のmRNAが発現していることが確認された。これに対してHmマウス胎児の指間部では細胞死の量が有意に少なく、このことが指の分離とその際に起こる血管リモデリングを阻害して指奇形を生じさせると考えられた。この結果から、指が分離する際には細胞死が必須であること、また血管リモデリングとgelatinase A/MMP-2の発現が密接に関連していることが明かになった。 指の分離メカニズムをin vitroで解析するため、72時間にわたってマウス胎児の四肢原基を培養し、in vivoに準ずる指の形成を観察し得る新しい器官培養法を確立した。また、細胞死をin vitroで抑制してその影響を解析するため、いくつかのcaspase inhibitorsを合成し、これらが細胞培養系およびマウス胎児口蓋の器官培養系で細胞死をほとんど抑制することを確認した。現在、四肢原基の器官培養系において細胞死抑制実験を行っている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Naruse I.et al.: "Palar and plantar pads and flexion creases of genetic polydactyly mice (pdn)"Journal of Morphology. 239(1). 87-96 (1999)
-
[Publications] Takigawa T.et al.: "Study of the vascular remodelling and programmed cell death during the separation of digits in the mouse limb"Acta Anatomica Nipponica. 75(1). 67 (2000)
-
[Publications] Takigawa T.et al.: "Study of the differentiation of the medial edge epithelium in the fetal mouse palate in organ culture"Acta Anatomica Nipponica. 75(1). 60 (2000)