1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10470035
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
加納 英雄 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70045475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 伸一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20213209)
甲斐 正広 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80260777)
和田 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40182969)
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Keywords | ホスファチジン酸ホスファターゼ / ジアシルグリセロールキナーゼ / リン脂質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究ではジアシルグリセロール(DG)をホスファチジン酸(PA)に変換するDGキナーゼ(DGK)と、逆向きの反応を触媒するPAホスファターゼ(PAP)について検討した。二つの酵素ともに申請者等が初めてクローン化に成功し、分子構造を明らかにしてきた。 HL-60細胞のDGKα蛋白は極端に少ないが、カスパーゼ阻害剤処理すると著明に増加し、プオテアソーム阻害剤では短縮型DGKα(70K)が蓄積する。ホルボールエステルによる細胞分化時にDGKα蛋白は約100倍増加するが、mRNAレベルは約2倍の増加に止まった。HL-60細胞のDGKa蛋白量はプロテアーゼ系により強く抑制されていることを示唆している。DGKについては、DGKδのC-末端に存在するSAMドメインがER局在化シグナルであることを発見し、この部位と結合するER蛋白を検索中である。 ヒトPAP-2b/GFP融合蛋白をHEK293細胞に発現させ検討した。PAP-2bは表面膜に局在し、細胞外のLPAを分解するエクト酵素であることを確認した。細胞をトリトン処理後、密度勾配遠心すると、PAP-2bはカベオラとともに浮上する。293細胞の内因性PAP活性もカベオラ画分に存在する。現在PAP-2bの活性と細胞内局在性に対するコレステロール結合試薬の影響を検討中である。またPAP-2aのKOマウス作製実験も続行中である。
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[Publications] Kanoh,Hideo: "Molecular characterization of the type2 phosphatidic acid phosphatase" chem.phys.Lipids.印刷中. (1999)
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[Publications] 加納,英雄: "ホスファチジン酸ホスファターゼ" 蛋白質核酸酵素. 印刷中. (1999)
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[Publications] 和田,郁夫: "ホスファチジン酸ホスファターゼとハロペルオキシダーゼファミリーと生殖細胞ガイダンス" 生化学. 70・9. 1183-1188 (1998)
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[Publications] 加納,英雄: "細胞機能と代謝マップII.細胞の動的機能" 東京化学同人/日本生化学会, 137-142(6) (1998)