1998 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植が適応となる原発性肝癌の鑑別:多中心性肝癌の検討と移植後再発の予測を中心として
Project/Area Number |
10470048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福本 学 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60156809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重樫 弘 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (40182290)
里見 進 東北大学, 医学部, 教授 (00154120)
眞鍋 昇 京都大学, 農学研究科, 助教授 (80243070)
蔦原 康行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
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Keywords | 肝細胞 / 胆管細胞癌 / 遺伝子変異 / マイクロサテライトマーカー / LOH / K-ras / p53 |
Research Abstract |
原発性肝癌である肝細胞癌(HCC)と胆管細胞癌(CCC)について、同時に肝癌発生、進展に関わる候補遺伝子を検索している。具体的には遺伝子変異の殆ど知られていないCCCではK-ras、p53遺伝子変異を、さらにHCCとCCCの両者においてCAリピートの長さを利用したマイクロサテライトマーカーによるLOHの部位を検索した。 <結果>CCCの8.7%にK-ras変異が検出され、GA変異が殆どで肝門部原発に多い傾向がみられた。p53変異は8.6%に変異を認め、変異形式は様々であったが、すべてpT4症例であった。両遺伝子の変異と予後・分化度・組織型との相関は認められなかった。HCCではinformativecaseの30%以上にLOHを認めたhot spot locusは32 lociあり、その存在部位は4q,8p=16q,6q=13q=17p,5q=16p,1p=9p=19pの順であった。32のhot spotのうち、18 lociは今回のスクリーニング用マーカーで新たに検出されたものであった。 <考察>CCCにおいてk-ras遺伝子の変異を示す症例は少なかったが,腫瘍の局在によってcarcinogenic stepが異なることが示唆された。一方,p53遺伝子の変異は発癌後期に起こると考えられた。hot spotが認められることからHCCの発生もしくは進展に重要な遺伝子変化を反映したLOHが存在することを示している。今回判明したhot spotに関連する癌抑制遺伝子としては、5q→APC,6q→IGF(監)R,8p→PRLTS,9p→p16,13q→RB,17p→P53などが候補遺伝子と考えられるが、1p、4q、16p、16q、19pに関しては対応遺伝子の報告がなく、未知の癌抑制遺伝子の存在が示唆された。
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[Publications] H Suwa et al.: "Overexpression of the rho C gene correlates with progression of ductal adenocarcinoma of the pancreas." Brit.J.Cancer. 77(1). 147-152 (1998)
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[Publications] A Suzuki et al.: "High cancer susceptibility and embryonic lethality associated with-1178 mutation of the PTEN tumor suporessor gene in mice" Current Biology. 8. 1169-1178 (1998)