2001 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルスNS1、NS2蛋白のウイルス工学的、細胞生物学的研究
Project/Area Number |
10470075
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
榎並 正芳 金沢大学, 医学研究科, 助教授 (30168794)
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Keywords | インフルエンザウイルス / NS1 / 翻訳 / リン酸化 / ベクター / ワクチン |
Research Abstract |
WSN株NS1蛋白(230残基)に加え、N端110残基(N110)、C端190残基(C190)、及び66-77残基目の欠損(dl12)蛋白を大腸菌で発現し単離した。NS1蛋白はAキナーゼ、Cキナーゼ、及びGキナーゼを用いてリン酸化した。ウサギ網状赤血球ライセートにウイルス感染細胞から精製したmRNAを添加、in vitroの翻訳に於けるNS1蛋白の機能を解析した。野生型NS1蛋白はin vitro翻訳系でNPとM1の翻訳を強く促進し、NS1蛋白の翻訳は弱く促進した。A-、C-、G-、いずれのキナーゼもNS1蛋白をリン酸化したが、リン酸化によりNS1の翻訳促進活性は有意に増加した。N110-NS1蛋白はin vivoでは翻訳促進活性は欠損していたにもかかわらず、in vitroでは翻訳促進活性が確認された。これは、この蛋白は138-147残基目に存在する核外輸送シグナル(NES)を欠損していて、感染細胞内では核内に蓄積するために、翻訳の場である細胞質に存在しないためによるものと考えられた。一方、C190-NS1蛋白は翻訳促進活性が欠損していた。これは、19-36残基目に存在するRNA結合領域を欠損するためと考えられた。 ウイルスNS1のN端側151残基[NS(151)2ACAT]に加えN端側131残基[NS(131)2ACAT]の下流に自己切断活性を持つ17残基の2Aプロテアーゼ配列を挟んでCAT遺伝子を挿入した。 NS(151)2ACATウイルスは温度感受性となり、NS(131)2ACATウイルスは温度感受性とはならなかった。NS(151)CATウイルスが温度感受性となる機構は、当該変異蛋白が核外輸送シグナルを持つのに対し、NS(131)CATウイルスは待たないことから、変異蛋白が細胞質に輸送されて、高温でなんらかの阻害活性を持つものと考えられるが、その機構は不明である。
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[Publications] Takasuka N, Nnami M, Tamura S, Takemori T.: "Intranasal in oculation of a recombinat influenza virus comaining exogenous wicleotides in the NS segment induces mucosd imnure response against the exgenon geii prodeced in mice"Vaccine. 20. 1579-1585 (2002)