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2000 Fiscal Year Annual Research Report

麻疹ウイルス野生株に対する細胞受容体の解明

Research Project

Project/Area Number 10470079
Research InstitutionKYUSHU UNIVERSITY

Principal Investigator

柳 雄介  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40182365)

Keywords麻疹ウイルス / 受容体 / SLAM / 細胞融合
Research Abstract

麻疹ウイルスワクチン株に対する細胞受容体は,補体制御因子の一つであるCD46であることが既に示されている。しかし,マーモセット由来のB細胞株であるB95a細胞を用いて高率に分離されるようになった麻疹ウイルス患者分離株(野生株)はCD46陽性細胞で増殖しない。麻疹ウイルスのH蛋白とF蛋白を持つ水疱性口内炎ウイルス(VSV)のpseudotypeを用いた,種々の細胞に対する細胞侵入効率の解析により,ワクチン株と野生株のトロピズムの違いは細胞侵入過程でほとんど決められていることを明らかにした。この結果から,野生株に対する受容体はCD46ではなく,野生株が感染できる限られたリンパ球系細胞にのみ発現している分子であると結論した。そこで,野生株が高率に感染するB95a細胞のcDNAライブラリーを作製し,上記のVSV pseudotypeを用いて発現クローニングを行なった。得られたクローンはヒトのSLAM(CDW150)と高い相同性があった。ヒトSLAM遺伝子をクローニングして野生株に非感受性の細胞に導入すると,野生株ウイルスが吸着し,増殖できるようになった。フローサイトメトリーでSLAMの発現を解析したところ,野生株に感受性があるリンパ球系細胞はすべてSLAMを発現しており、非感受性の細胞は発現がないか、あってもごく低レベルであった。また,野生株の感染は抗SLAM抗体で完全に阻止できた。これらの結果から,ヒトSLAMが麻疹ウイルス野生株に対する受容体であることが証明された。重要なことに、ワクチン株もCD46だけでなくSLAMを受容体として使えることも分かった。SLAMは免疫グロブリン・スーパーファミリーに属する膜蛋白であり,細胞外ドメインとしてVドメイン,C2ドメインを持っている。種々のキメラ分子の解析からSLAMのVドメインが麻疹ウイルスに対する受容体としての機能に必要十分であることが明らかになった。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] Tatsuo et al.: "Virus entry is a major determinant of cell tropism of Edmonstonand wild-type strains of measles virus as revealed by vesicular stomatitis virus pseudotypes bearing their envelope proteins."Journal of Virology. 74. 4139-4145 (2000)

  • [Publications] Tatsuo et al.: "SLAM (CDw150) is a cellular receptor for measles virus."Nature. 406. 893-897 (2000)

  • [Publications] Ono et al.: "V domain of human SLAM (CDw150) is essential for its function as a measles virus receptor."Journal of Virology. 75. 1594-1600 (2000)

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Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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