1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10470090
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
須田 貴司 金沢大学, がん研究所, 教授 (70250090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 重一 大阪大学, 医学部, 教授 (70114428)
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Keywords | Fas / Fasリガンド / アポトーシス / GVHD, / T細胞 / 抗Fasリガンド抗体 |
Research Abstract |
1) 致死量の放射線照射した(C57BL/6×DBA/2)F1(BDF1)マウスにC57BL/6(B6)マウスの骨髄細胞と脾細胞を移植すると急性致死性GVHDを引き起こし、30日以内にほぼ全例死亡する。この系でドナーとして、Fasリガンド変異マウスであるB6-gldマウスを用いると、宿主は80日余りの観察期間の間全例生存した。一方、perfoin遺伝子欠損マウスを用いると、野生型B6マウスをドナーとした場合に比べ生存期間の延長は見られたが、結局全例死亡した。この結果はGVHDの発症機構には、perfoin依存性、Fasリガンド依存性の両細胞傷害機構が関与しているが、致死性にはFasリガンドの関与が大きいことを示唆する。次に、上述急性致死性GVHDの実験系で、野生型B6マウスをドナーとし、我々の樹立した抗Fasリガンド中和抗体を0.5mgづつ2日おきに40日間投与したところ、宿主マウスは抗体投与中はほぼ全例生存し、移植後80日目でも半数以上が生存した。抗Fasリガンド中和抗体などでFasリガンドの活性を抑制する方法がGVHDの治療法になる可能性が示唆された。 2) 新鮮ヒト末梢血T細胞は、抗Fas抗体で死なないことから、Fas刺激に非感受性であるとされてきた。しかし我々は、新鮮ヒト末梢血T細胞中Fas陽性分画は、可溶型Fasリガンドには非感受性であるが、膜型Fasリガンドにより傷害されることを見出した。興味深いことに、ヒト末梢血T細胞をいったんコンガナバリンAで活性化すると、抗Fas抗体、可溶型、膜型Fasリガンドのいずれにも感受性になった。この結果は、T細胞のFasリガンド感受性は活性化状態により変化することを示すと同時に、膜型と可溶型Fasリガンドは生体内で異なる役割を果たしている可能性を示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fukuyama,H.,et al.: "Transgenic expression of Fas in T cells blocks lymphoproliferation but not autoimmune disease in MRL-lpr mice." J.Immunol.160. 3805-3811 (1998)
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[Publications] Hashimoto,H.,et al.: "Soluble Fas ligand in the joints of patients with rheumatoidarthritis and osteoarthritis." Arthritis Rheum.41. 657-662 (1998)
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[Publications] Miwa,K.,et al.: "Caspase 1-independentIL-1beta release and inflammation induced by the apoptosis inducer Fas ligand." Nature Med.4. 1287-1292 (1998)
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[Publications] Miwa,K.,et al.: "Therapeutic effect of an anti-Fas lignad monoclonal antibody on lethal graft-versus-host disease." Int.Immunol.in press,. (1999)
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[Publications] 須田貴司: "免疫とアポトーシス" 遺伝子医学. 13. 101-108 (1998)
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[Publications] 須田貴司: "細胞死とサイトカイン イラスト医学&サイエンスシリーズ-サイトカインの機能を探る-" 羊土社, 56-65 (1998)