1998 Fiscal Year Annual Research Report
固相ミクロ抽出/高速液体クロマトグラフィー質量分析計の法医学的応用
Project/Area Number |
10470122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
熊澤 武志 昭和大学, 医学部, 助教授 (00186470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 修 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093044)
佐藤 啓造 昭和大学, 医学部, 教授 (20162422)
李 暁鵬 昭和大学, 医学部, 助手 (90245829)
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Keywords | 固相ミクロ抽出 / SPME法 / 薬毒物分析 / 高速液体クロマトグラフィー / 質量分析法 |
Research Abstract |
本年度は覚醒剤、6種類のフェノチアジン系、8種類のブチロフェノン系および5種類のベンゾジアゼピン系向精神薬類、6種類のカーバメート系農薬、5種類の有機リン系農薬、アマニチン、アコニチン、テトロドトキシン、モルヒネ、コカインおよびコカイン代謝物であるベンゾイルエクゴニンについて以下の検討を行った。 1. 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分離条件の検討 HPLC装置は島津製LC-10ADVPシリーズ(設備備品費により購入)を使用した。分離用カラムにはコンベンショナルタイプ(内径4.6mm)のDiscovery RP-AmideC_<16>(Supelco)およびセミミクロタイプ(内径2mm)のCapcel Pak C_<18>(資生堂)を使用し、移動相には10mM酢酸アンモニウムとアセトニトリルのグラジエント法を使用することで多種類の一斉分析にもおおむね対応できることが明らかとなった。 2. 固相ミクロ抽出(SPME)法による人体試料からの抽出条件の検討 SPME法では、尿についてはファイバーを試料に直接浸漬(約30〜60分間)するだけで簡便な抽出が可能であることが明らかとなった。血液については過塩素酸で除蛋白操作を行った後、遠心分離で得られた上清のpHを中性に戻すことでSPMEファイバーの浸漬抽出が可能となった。薬毒物によってはpHをさらに調整する必要があり、例えば覚醒剤(メタンフェタミンおよびアンフェタミン)ではpHを8付近にすることで抽出効率が向上した。しかし、有機リン系農薬、テトロドトキシン、モルヒネ、アコニチンについては抽出効率が非常に低く、さらに検討が必要である。なお、SPMEファイバーは、ポリアクリレート、ポリジメチルシロキサンおよびポリジメチルシロキサン/ジビニルベンゼンの各ファイバーが有効であった。 3. HPLC/質量分析(MS)法によるマススペクトルの解析 HPLC/MS-エレクトロスプレーイオン化法により標品を分析したところ、ほとんどの薬毒物においで擬分子イオンがベースピークとなるマススペクトルが得られた。
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Research Products
(1 results)