1998 Fiscal Year Annual Research Report
重症肺気腫の肺気量減少療法と呼吸困難の改善機序及びその感知部位に関する研究
Project/Area Number |
10470146
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飛田 渉 東北大学, 医学部, 助教授 (10142944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 良望 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (80215087)
菊池 喜博 東北大学, 医学部, 講師 (20195217)
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Keywords | 肺気腫 / 肺気量減少療法 / 呼吸困難 / 呼吸筋酸素消費量 / 生存曲線 |
Research Abstract |
重症肺気腫に対する胸腔鏡下の肺気量減少療法(lung volume reduction surgery,LVRS)が注目されている。私共は1993年より本療法を施行しているが、以来、既に肺気腫と診断された症例は205例あり、うちLVRS適応例であるが保存的治療となった症例が71例、LVRSを施行した症例が72例となり、以下の研究成果が得られた。 (1) 本療法により、術後3ヶ月にボディプレチスモグラフ法で測定した肺気量で約1リットルの肺気量減少効果が得られ、それにともない閉塞性換気障害の改善、ガス交換機能の改善、運動耐容能の改善、さらに運動時呼吸困難感の改善が認められた。 (2) 死腔連続負荷装置による呼吸筋酸素消費量を連続的に測定して得られる換気効率は術後有意に改善した。また、この改善程度は肺気量減少効果が大きいほど大であった。 (3) 術後3ヶ月に最大となった肺気量減少効果はその後徐々に低下するものの術後3年経過しても肺機能の改善、呼吸困難感の改善は維持された。 (4) 1998年10月現在において、LVRS施行群とLVRS適応例であるが保存的治療となった71例の重症肺気腫群の2群を対象にKaplan-Meier法による生存曲線を検討した。両群間で推計学的に有意性が得られるまでには至っていないが、LVRS施行群では施行3年目の生存率が良くなる傾向が認められた。 肺移植適応外の高齢者の重症肺気腫における肺気量減少療法は有効な治療手段になり得るものと思われた。これらの研究成果は内外の学会に発表され注目されている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Haraguchi,S.Shimura,W.Hida,K.Shirato: "Pulmonary function and regional distribution of emphysema as determined by high-resclution computed tomography" Respiration. 65. 125-129 (1998)
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[Publications] Y.Kaiwa,Y.Kurokawa,K.Ando,A.Nakazawa,K.Mitsui,H.Miki,W.Hida,S.Satomi: "Correlation of theracoscopic lung volume reduction with improvment of lung function and exercise performance in patients with pulmonary emphysema" Surgery Today. (in press).