1999 Fiscal Year Annual Research Report
重症肺気腫の肺気量減少療法と呼吸困難の改善機序及びその感知部位に関する研究
Project/Area Number |
10470146
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
飛田 渉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10142944)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 良望 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (80215087)
菊池 喜博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20195217)
|
Keywords | 肺気腫 / 肺気量減少療法 / 呼吸困難 / 換気応答 / 生命予後因子 |
Research Abstract |
重症肺気腫に対する胸腔鏡下肺気量減少療法(lung volume reduction surgery,LVRS)が1993年以来、私共で施行されるようになり1999年8月まで84例に施行されている.このうち、1998年末までの79例について解析し以下の結果を得た. (1)Kaplan-Meier法による1、2、3、4、5年生存率は各々91、85、78、71、60%であった. (2)術前の低酸素血症、低肺拡散能力、低栄養は有意な予後不良の予測因子であった.高炭酸ガス血症は予後に差はなく、必ずしも適応禁忌ではないことが示唆された. (3)術前の二酸化炭素換気応答検査における換気量と換気出力(P_<0.1>)の反応の比(換気効率)が低い患者に予後不良例が有意に多かった. (4)肺活量の手術による増減は運動耐容能と有意な相関を示し、一秒量が改善しても臨床的には改善が見られない症例については、肺活量が減少した症例が多かった.術前の肺活量が大きい症例では術後に肺活量が減少し、運動耐容能が減少する他、肺拡散能力、血液ガス、呼吸困難度、栄養状態に障害を起こる有意な傾向が見られた. LVRSでは予後不良例の対策が急務とされており、手術適応を考える際の基準の確立が求められている.これらの研究は内外の学会に発表され注目されている.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Kaiwa Y.,Kurokawa Y.,Ando K.,Nakagawa A.,Mitsui K.,Miki H.,Kurosawa H.,Hida W.,Satomi S.: "Correlation of unilateral thoracoscopic lung volume reduction with improvement in lung function and exercise performance in patients with severe pulmonary emphysema"Sung Today Jpn J Surg. 29. 718-723 (1999)
-
[Publications] Hida W.: "Role of ventilatory drive in asthma and chronic obstructive pulmonary disease"Current Opinion in Pulmonary Medicine. 5. 339-343 (1999)
-
[Publications] Niex Hidaw,Kikuchi Y.,kurosawa H.,Tabata M.,Kitamuro T.,Adachi T.,Ohno I.,Shirato K.: "Expression of Glut-4 and Glut-1 transporters in rat diaphragm muscle"Tissue & Cell. 32. 107-115 (2000)